天使の落し物。

猫野 尻尾

第1話:降ってきたパンツ。

近頃、やたら天使に執着している僕・・・。

こんな話を考えてしまう僕は間違いなく変態なんだろうな。(=^x^=)



僕は「次野 番太朗つぎの ばんたろう」17歳・高校二年生。


さて、ある日、僕は学校の帰りに、たこ焼き屋「えっちゃん」でたこ焼きを買って

店の前のベンチに腰掛けて、熱々のたこ焼きをハフハフ食っていた。

で、全部食い終わって満足の余韻に浸っていたら・・・。


僕の膝の上になにかが落っこちて来た・・・フワ〜って。


「なんだこれ?・・・」


そうたいして大きくもない物体・・・なにやら布切れに見える。

そいつを指で持ち上げて、空に透かしてみた。


「ん?」


それは薄い水色で小さな花柄模様の入った布だった。

で、両手で持って広げてみた。


「うそ〜・・・まじで?」

「パ、パンツじゃん・・・しかも女モノの・・・」

「ちっちぇ〜・・・シュシュかと思った」


なんで僕の膝の上にパンツが落ちて来たのか・・・意味が分からん。


どこかに干してあったパンツが風に乗って飛んできたのかと上や周りを

見渡したが、それらしい住宅やマンションもない。

どこからともなく落ちてきた謎のパンツ。


だから素知らん顔してそのパンツをベンチに残して帰ろうと思ったんだ。


そしたら僕の右腕が急に言うことを聞かなくなって、そのままパンツを

ポケットにしまい込んじゃったんだな。

それはしょうがない・・・右腕がそうしたんだから・・・。


まあ、いいか・・・落ちて来たもんだから持って帰ってもいいよな。

なまじ落し物だってパンツなんか警察に届けたら、おまえが盗んだんだろうって

犯罪者扱いされるに違いないんだから、ここは持って帰るのがベストだろう。


心なしか後ろめたい気持ちで僕はパンツを安アパートに持って帰った。


そのままタンスにしまおうかと思ったけど、せかっくだからとスケベなら

誰でもやるようにそのパンツの匂いをクンクン嗅いでみた


なんの匂いなんだろう〜フローラルな爽やかな香りがした。

履いてたもんじゃないことは分かる。

洗ってあるんだろう。

匂いを嗅いだあと、パンツをハンガーにかけて部屋のインテリアにした。


ちっちゃくて可愛いパンツはいい目の保養になった。


僕は今、ひとりで安アパートでバイトしながら一人暮らしをしている。

理由は父親と考え方の違いでうまくいかず、家を出た。

母親とは揉めていないからたまに僕の様子を見にきてくれる。


付き合ってる女の子は今はいない。

恋愛にあごがれはあるけど、ひとりじゃできないからね。

何人かのクラスの女子に好きだって告ったことはあるけど、ごめんなさいって

言われて、それから女子に声をかけることが億劫になっていた。


特に可もなく不可もなく・・・それでも夢と希望を持って僕は毎日を生きていた。


ある日のこと、僕のアパートに突然ひとりの女の子が訪ねて来た。

なにかの勧誘とかじゃないかぎり女の子が僕んちに尋ねて来ることなんてないはず。


そしてその子はすっげえ可愛い女の子だった・・・だけど見たことない女の子。

どこかで知り合った覚えもない・・・可愛い女の子が訪ねて来てくれるのは嬉しいけど、知らないからただアタフタするだけ・・・・これってなにかの間違いに違いない。


その子は金髪のショートカットにパンダがプリントされた白いワンピースを

着ていて、そしてつぶらな瞳で僕を見ていた。


つづく。


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