虐められコンビの愚痴のオンパレード

少し復活したエアコン

第1話

 虐められて良いことなんてほぼない。


 だが、たまに良いことはある。


 例えば、いじめられ過ぎて先生に認知されて、席の端っこを独占出来ることだ。


 クラスメイトから、ユウワールドとかキモオタ専用とか言われているが、俺は他人から後ろから見られる恐怖がないこの席が好きだった。


 そしてさらに良いことは同じようにいじめられてボッチの春さんも俺の隣の席がキープされている。


 これは何とも素晴らしい。


 そして昼休みが終わった直後俺達は一緒に席から離れる。(一緒とは言ってない)


 クラスメイトからお似合いカップルだなんだと、言われる。


 付き合ってないのに、 


 だが、まぁ誤解されるだけで役得だと感じている。



_______


 そして、屋上について俺はゆっくりご飯を食べる。


 「あー、気持ちいい」


 貴重な昼休みな時間だ。ここまでわざわざ来るようないじめっ子は居ないだろう。


 あー涼しい。


 そう思っていた。


屋上の扉が開く音がする。 


 俺はすぐに隠れる。


 しまった、もしこれが本当にいじめっ子達なら、


 どうする?俺は隠れたことになるじゃん!!


 まぁ、もういい。これ以上株が下がってももう変わらない。


 「・・・く、くそ。最悪」

だが、入ってきたのは隣の席の春さんだった。


 「何がカップルよ。私だってあんなキモオタと隣で最悪なのよ!!」


うん、これが現実。


 

「あーもう、本当嫌だ、このクラス。死ね死ね」


それにしても独り言をよく喋るな、しかも大きな声で・・・ちなみに彼女はクラスでは静かです。

 

「あー、もう嫌だ。うん学校辞めよう。絶対に学校辞めよう!!辞めてやる」


 そうして彼女の決意を隠れて見届けた。


_______

 

 次の日、なんと俺は彼女に蹴られることになる。


 「本当に好きじゃないんでしょ、奪ってみてよ」


なんと、俺がたまたま財布を忘れて取りに戻ると

万引きを強要される春さんの姿があった。


 「そんな、これは流石に」


「いいの、いいの!みんなしてるから」


してないよ。ちゃんとお金は確認してるよ。


 それにしても、流石に昨日よりショックだな。


 別に春さんに嫌われてことは予想ついてたけど、こんな現場を見る方が辛い。


 「・・・」


春さんは何も言い返せない。


 そして、ついにお金を取った。おそらく2万


 「あーあー、ついにやっちゃった。」


「クラスのお姫様は、犯罪者でした!」


 クラスメイトは彼女を笑っている。そして彼女は涙を堪えている。


どうしようかな、ここで出る事が出来たら彼女にとってのヒーローになるかも知れない。


 でも、彼女へのいじめが悪化するかも知れない。俺なら別にいい。もう底辺だし


 「・・・」


わからない。予想がつかない。一応録音はしたけど、これで証拠を出した所で変わらないだろう。


「・・・」


 俺は結局彼女を助けないで帰ることにした。


________


次の日、彼女は学校を休んだ。

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