アイドルと付き合える訳ないとも言い切れない
太田 守
開幕前 握手会で
「実は明日誕生日なんだ」
「えっ、そうなんだ!おめでとう!私と同い年だったから17歳?」
彼女はぱっと、大きな瞳を見開いた。息を呑むような可愛らしさにドキッとしてしまう。何度会っても変わらないドキドキだ。
「そうそう、歳一緒、彼女もいないから祝ってくれる人もいないんだけどね」
誕生日に、推しのアイドルの握手会でそんなことを言っちゃうぐらいにモテないのは自虐ネタだ。
「じゃあ私が祝ってあげる!いい1年になりますように!」
彼女はいつもの様に笑顔で僕に接してくれて誕生日を祝ってくれた。
あんな娘と付き合えたらな...この時の僕はファンなら誰もが思うであろうことを考えた。
あの娘が彼女だったら毎日楽しいだろうけど、アイドルと付き合える割合なんてたかが知れている。
彼女からしてみれば有象無象の一つに過ぎない存在だ...と、この時の僕は思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます