ゲームがきっかけで学校一の美少女と友達になる話

赤岡伊織

1〜30

1学期

第1話 日向との出会い

 僕の名前は影密日陰かげみつひかげ

 明日は高校の入学式が控えている。

 

 僕はゲームをしようとテレビに向かった。

 今からするゲームは、イエローダンジョンという、キャラクターを操作してダンジョンを攻略するゲームだ……


「よーし! 今日もゲームを楽しもうかな」


 僕は早速いつも通りダンジョン攻略をしようとしていた。

 すると……このゲーム内のチャットで一通のメッセージが来た。


 (うさぎ) お久しぶりですね! マスターさん!!


 それは、プレイヤーネーム「うさぎ」さんからのメッセージだった。

 うさぎさんは僕のこのゲーム内でのフレンド、いわゆるネッ友である。


 ちなみに僕のこのゲーム内の名前は「マスター」である。


 (マスター) こんにちは……!!

 (うさぎ) よかったら一緒にダンジョン攻略しませんか?

  (マスター) 是非!! やりましょう


 こうして、僕とうさぎさんは一緒にダンジョン攻略することに…


 最近はうさぎさんとダンジョン攻略をあんまりしていなかったが、前はよく一緒にダンジョン攻略をしていた。


 僕とうさぎさんは共にダンジョン攻略をして、盛り上がった。


「ふー! いっちょ上がり!!」


 僕とうさぎさんがダンジョンを攻略し終わると、

うさぎさんから再度メッセージが来る。


 (うさぎ) 今日はありがとうございました! 明日入学式があるのでもう寝ます……

 (マスター) 実は僕も明日入学式なんです!!

 お互い、いい日になるといいですね!

 (うさぎ) そうですね!!


 うさぎさんも入学式なのか、僕と一緒だな——てか、うさぎさん学生さんなんだ

 僕も明日から学校だからもう寝るか……


 僕は睡眠を取るためベットへと向かった。

 明日から高校生か……


 僕は昔から……人見知りで友達が満足にできなかった。

 だから友だちと一緒にゲームをしたり、どこかに遊びに行ったりすることに少しばかり憧れを抱いている。

 仲のいいお友達ができるといいな……


 僕はそう心の中で思い、眠りにつこうと横になった。

 そして、次の日……入学式当日——


 僕は学校に行くため道を歩いている。

 結局……いろいろ考えて……全然眠れなかった……


 僕は学校の校門をくぐり、生徒玄関へと足を進めた。

 すると、学校のクラスの生徒玄関前にすごい人が集まっていた。

 あれは、クラス表か、一応僕も見に行くか——


「なぁ? お前、今の見たか?」

「ああ! 超可愛かったよな! 今の子!!」


 すると、男子生徒が話しているのが聞こえてきた。

 なんか騒がしいな……

 僕は男子生徒たちが注目の目線を送っている先を見た。


 そこにはとても美しい顔をしていて、背中ら辺まで伸びている黒く美しい髪が目立っていてスタイルがとてもいい、モデルのような美少女が立っていた。

 ——あの子——すごい可愛いな——


「なぁ? あの子モデルみてぇー! ってか、実際やってるんじゃないの? モデル」

「お近づきになりてぇー!」


「なぁ、お前ちょっと話しかけてこいよ!」

「いや、さすがに……」


 男子生徒たちは早くもその子にくぎづけになっている様子だった。

 すると、その女の子は生徒玄関の方へと歩いて行ってしまった。


 その後、僕はクラス表を見て、自分のクラスを確認すると……クラスへと向かった。


 さっきの子……何クラスなんだろう……

 僕はついついあの子の事を考えてしまった。

 なんかあの子を見た瞬間心の中に衝撃が走ったような……すごいものを見たような感じがしたな……


 教室に入ると、僕はまず席を探した。

 しばらく探した後、席を見つけると、その席に座る。


 席について周りを見渡すと……あの子……さっきの可愛い子がクラスメイトの二人と仲良くお喋りをしていた。


「ねえ! 最近駅前にできたあのケーキ屋さん今度みんなで行こうよ!!」

「いいね! 賛成ー!! わたしあそこのケーキ屋さん! ずーと気になってたんだ!!」


 どうやらクラスメイトの女の子の一人が可愛い人ともう一人の女の子にケーキ屋さんに行こうと誘っているようだった。


「日向ももちろん行くでしょ?」

「うん!! 私みんなとケーキ屋さん行くの楽しみ!」


 どうやらあのさっきの可愛い人は日向ひなたという名前らしい……


 なんというか、僕とは真反対な名前だな、僕名前日陰だから——ある意味名前だけ見れば運命みたいな感じだけど、多分僕とは一生縁のない存在なんだろう……


 それから時間が経ち、先生がやってきて高校生最初のホームルーム……自己紹介の時間がやってきた。


「……これからどうぞよろしくお願いします!!」

「はーい! 加江田かえたさん! ありがとうございました! 続いて——えーと、あ! 影密日陰くん! よろしくお願いします!!」


 加江田さんという人の自己紹介が終わり出席番号順で次に僕の番がやってきた。

 僕はとても緊張をしていたが、頑張って勇気を振り絞ってみんなの前に立った。


「みなさん……こんにちは……僕は影密日陰と言います……僕はその……今、イエローダンジョンというゲームにハマっています……」

「その、もし知ってる人がいたらぜひ一緒にできたりしたら嬉しいです……人見知りなので話しかけてくれると嬉しいです……よろしくお願いします」


 僕がそう挨拶をすると、クラスからは拍手が巻き起こった。


 自己紹介は我ながらうまく行ったと思うけど……イエローダンジョンの名前を出した時、こいつ何言ってんだっていう顔をクラス中がするものだから、はっきり言ってあのゲームの名前を出すのは控えた方が良かったかもしれない……


 あのゲームはそれこそ存在自体が都市伝説扱いだからな……


 もっとパープルカートとか、レットクエストとかそこらへんの誰もが知っている超有名ゲームの名前を出しとけばよかったと僕は今更ながら後悔する。


 クラスがそんな顔をする中、そういえば可愛い人……ええと、確か名前は朝比奈あさひなさんって言ったっけ……

 

 その人が目をガンガンに光らせて僕の方をじーと見てきたものだから……何だか不思議に思ってる。


 そして、今日の学校生活が終了した。

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