テレビのコンセント

天川裕司

テレビのコンセント

タイトル:テレビのコンセント


私の部屋には結構古いテレビが置かれている。

物持ちが良い私は物をなかなか捨てられず、

「昭和か!?」と言われるぐらい、

普通の人が私の部屋に来れば

時代錯誤したような感じになっちゃうんだろう。


住んでるアパートも結構古いアパートで、

お金遣いが非常に堅実な私は無駄遣いしたくない上で、

新しいところに引っ越すのもやめていた。

おかげで結構、老朽化が来てるこのアパート。

友達は、

「すぐに引っ越しなよ」

なんて冗談半分に言ってくれちゃうけど、

ここまで来たら我が道を行こうと思ってしまう。


その日、友達が部屋に遊びに来た。

友達「うわ〜、やっぱり昭和よね〜あんたの部屋って」

「別にイイじゃないw私これが気に入ってんだからさ♪」


その日は1日、テレビを見て過ごした。

バラエティや歌番組、クイズ番組、いろいろ観てた。

でもしているうちに、

「あっ、ま〜たパラパラし始めた!wちょっと待ってね」


砂嵐がテレビに混じるようになり、

パラパラパラパラと、非常に見づらくなってしまった。

まぁこんな事はよくあることで、

テレビの側面をパンパンと叩いたり

1度コンセントを抜いてもう1度差し込むと直る

なんて、これもこれまで何度もやってきたから

私はそれなりのベテランだ。でも…


「あれ〜、今日は直らないなぁ〜」

友達「ねぇ、まだなのぉ?もう番組終わっちゃうよぉ?」

「う〜ん、いつもならこれですぐ直ってくれたんだけどな〜」

その日はアンテナの位置を変えたり、

やっぱりパンパン叩いたりしながら

何とか直そうと試みていた。


でも直らないので仕方なく、

「やっぱりちょっとコンセント1度抜いて、もう1度差し込んでみるね〜」

と友達に言ってその通りにした。

コンセントをむやみに抜いたり差したりすると

それだけで電気系統の老朽化が進む、と前に

友達に聞いたのもあり、

あんまり気が進まなかったんだけど仕方がない。


でも抜いた瞬間…

(隣の部屋の男性)

男性「ありゃ?」

隣の男性の部屋のテレビが消えたらしい。


よく見ると壁に穴が開けられており、

そこから隣の部屋のテレビのコンセントが

私の部屋の配線用差し込み接続器まで伸びていた。


(すぐ部屋を出て行って)


「ふざけんじゃないわよ!あんたずっとこんな事してたの??」

隣の男性「勝手に使ってさーせん」

「『さーせん』じゃないわよ!」

さんざん怒鳴ってやった。

隣の人の観てたテレビの電気代が、

全部私に加算されていたのだ!

当然それも後日、警察をちゃんと入れて

賠償してもらう約束を取り付けた。


でも部屋に戻ったあと友達が、

「…でもなんかおかしくない?」

と私に言った。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=G8ZKvQ8VFLU

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

テレビのコンセント 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ