ESCAPE⑥ 草薙市連続殺人事件 犠牲者4人
鷹山トシキ
第1話 草薙市の冒険
介護業界の徘徊
舞台(草薙市 静岡)
藤堂登場しない
蜂須賀蛍
赤澤龍子
折原拓也
西澤映
. **林田由美(若手捜査官)**(玲香)
- **年齢**: 30代
- **性格**: 情熱的で直感力が強い。人懐っこく、宿泊客たちに話しかけることで有力な情報を引き出そうとする。
- **背景**: 最近、殺人事件の捜査に配属されたばかりだが、その明るさで場を和ませる一方、捜査への情熱を持ち続けている。
結城誠と美咲は、静岡県の草薙市に旅行するための朝を迎えた。二人は、街の魅力をたっぷり楽しむために、心地よい朝の空気を吸い込みながら車を走らせた。
到着すると、草薙市の静かな街並みが二人を迎えた。まず最初に訪れたのは、草薙神社。古い歴史を持つこの神社には、静かな境内と美しい自然が広がっていた。二人は、神社の厳かな雰囲気に心を落ち着け、お参りをしてから、境内を散策した。
神社を後にして向かったのは、草薙市の有名な温泉地。温泉に浸かりながら、誠と美咲は、温かい湯の中でリラックスし、日常の疲れを癒した。温泉から上がると、すぐに地元の美味しい料理を楽しむために、近くのレストランに立ち寄った。地元の新鮮な魚介類や、名物の和食が二人を楽しませた。
夕方になると、草薙市内の風景が夕陽に染まり、美しい色彩の景色が広がった。誠と美咲は、夕暮れの街を歩きながら、地元の小さなカフェでコーヒーを楽しみ、ゆっくりと過ごした。
夜が更けると、二人はホテルに戻り、翌日の予定について話し合った。草薙市にはまだ見所がたくさんあり、二人は次の日も引き続き、楽しむことを決めた。
草薙市は『古事記』『日本書紀』にて、ヤマトタケルが東征にて賊に襲われた際、草薙剣で草を薙ぎ払い向い火を放って難を逃れた火難伝説に関連する『草薙神社』があることが名前の由来。
静岡市清水区西部に位置する。北で楠新田・長崎南町・七ツ新屋、北東で草薙一里山・草薙杉道、東で馬走、南東で村松、南で駿河区根古屋・安居、南西で駿河区古宿・平沢、西で駿河区谷田、北西で中之郷・草薙北と隣接する。南北に細長い境域を持ち、北部が市街化されている。
草薙剣を奉られたとされる草薙神社(祭神:日本武尊)があるほか、南端には景勝地・日本平も所在する。周辺には草薙一里山、草薙北、草薙杉道といった住居表示街区もある。草薙駅周辺地域をおおまかに「草薙」と呼ぶことがあり、範囲は西側に隣接する駿河区東端部である谷田、静岡県草薙総合運動場陸上競技場や静岡県草薙総合運動場硬式野球場(草薙球場)の所在地は駿河区栗原(敷地には聖一色も含む)とおおむねJR線以南の中吉田、国吉田も含まれる。
結城誠は退職代行業に再就職を果たした。彼は毎日、激務に追われていた。しかし、ある日、彼はスマホゲーム「ディストピアQUEST」に出会い、その退屈な日々が一変する。
「ディストピアQUEST」は日本各地を舞台にした位置情報ゲームで、プレイヤーは街を歩き回り、様々な場所に配置された「ブラック企業」を攻略していくことが目的だ。ブラック企業は、ゲーム内で敵の城として登場し、それぞれが異なる特徴や難易度を持つ。
誠は、友人からこのゲームを勧められ、軽い気持ちでインストールしてみた。2日目の朝、ゲームを起動すると、草薙市の地図がリアルタイムで表示され、彼の現在地もピンポイントで示された。そして、近くにあるブラック企業のアイコンが画面に浮かび上がった。
「最初の敵はここか…」
誠はスマホを片手に、そのブラック企業に向かって歩き出した。現実の草薙市の街並みと、ゲーム内のマップがシンクロし、彼の心に高揚感が湧き上がる。ゲーム内では、ブラック企業はダンジョンのように描かれており、建物の中には無数の障害や、悪辣なボスキャラクターが待ち受けていた。
誠が最初に挑んだブラック企業は、「草薙人材派遣株式会社」だった。この会社は、市内でも評判の悪い企業で、社員の過酷な労働条件や、低賃金での長時間労働が社会問題になっていた。
ゲーム内では、この企業のボスキャラクターとして、「ブラック部長」というキャラクターが登場した。彼は、部下を苛め抜き、無理なノルマを押し付けることで有名な人物だった。
「こんな会社、実際にあるのか…」
誠はゲームのリアリティに驚きながらも、挑戦を続けた。ゲーム内では、ブラック部長が放つ攻撃を避けながら、誠はスマホ画面をタップして反撃し、彼を倒すための戦略を練った。そして、何度かの失敗を経て、ついにブラック部長を倒し、企業を「浄化」することに成功した。
ゲーム内では、ブラック企業を浄化するたびに、草薙市が少しずつ明るくなり、平和な街へと変わっていく。誠は次第に、このゲームの深いメッセージに気づき始めた。
「これは、ただのゲームじゃない。現実の社会問題を映し出している…」
誠は次々と市内のブラック企業を巡り、彼らを倒していく。ゲームを進めるうちに、彼は草薙市の裏側に潜む闇や、現実の労働環境の問題に直面するようになる。そして、ゲーム内の物語が進むにつれて、彼は自分自身の生活や、草薙市全体に対する意識が変わっていくのを感じていた。
ある日、誠は最も強力なブラック企業「草薙エレクトロニクス株式会社」に挑むことになった。この企業は、市内で最も大きなビルを構え、誠にとっても最後の難関だった。
「ここを攻略すれば、全てが終わる…」
誠はそう決意し、ビルの前に立った。ゲームの中でも、このビルは巨大な城のように描かれており、誠を待ち受ける最後のボス「CEOカンザキ」は、冷酷で計算高い性格を持つキャラクターだった。
「お前には勝てない、俺たちはこの街を支配しているんだ」
CEOカンザキはそう言い放ち、誠に襲いかかる。戦いは熾烈を極め、誠は何度も倒されかけたが、その度に立ち上がり、攻撃を繰り出した。
「この街は、俺たちのものじゃない! みんなのものだ!」
誠は叫び、最後の一撃をカンザキに放った。その瞬間、カンザキの姿は崩れ落ち、ビルは光に包まれた。
ゲームの画面には、「草薙市浄化完了」というメッセージが表示され、誠はその達成感に包まれた。しかし、その時、彼のスマホに通知が届いた。
「新しいミッションが解放されました」
誠はその通知を見て、微笑んだ。
「また、新しい挑戦が始まるんだな…」
結城誠は再びスマホを手に取り、新たな冒険へと歩みを進めた。彼の草薙市での「ディストピアQUEST」は、まだまだ続いていく。
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