濃い味への恋
明鏡止水
第1話
うちの父は醤油はしょっぱくてキッコーマンみたいなしっかししたところのやつ。
味噌も濃くてしょっぱいのが好き。
ポン酢も濃い味、
昆布つゆの優しいお味なんてNO!! NO!!
みたいな「濃い味」派。
「しょっぱい」派。
今は辛いものが苦手になってしまいましたが昔は辛ラーメン、蒙古タンメンに夢中になっていました。
単純にはっきりした味が好きな人も多いでしょう。
でも。
濃い味派、調味料こだわり派の人間には、悲しいサガがあると思うのです。
明鏡止水は最近辛いものに目覚めています。
と同時に金欠です。
その二つは結びつかねーだろーが、と?
夜中に卵かけご飯を一杯お夜食に食べないと日によっては満足できない体になってしまったのです……。なぜか? そしてそれは関係あるのか?
大好きな野菜やお肉、お魚の煮付けなどバランス良く食べられる時はそんな悪習は起こらないのです。
ですが中途半端に冷凍チャーハンだけ。
納豆ご飯とお吸い物の素スープ、とその場しのぎの夕食を終えた夜中は、無性に、
たべたい……。肉が食べたい……。アスパラガスやピーマン、ベーコンを炒めたお手軽朝食メニューでもいいから、それすらも思うことは、求めることは贅沢だけど……。
たべ、たい……。食べたいものがないけど冷蔵庫を漁るしか無い。
そうして、確固たる足取りで、今日も卵ちゃんを一つ、ご飯の上に落としてしまう罪深い私。
しかも、この状態の人間の悪癖は。
調味料を鬼のように余計にかけてしまうこと。
足りない栄養素を濃い味付けでだまくらかして乗り切ろうとしてしまうのです。
貧乏な奴ほど、足りない栄養への執着を調味料の濃さ、量に依存してしまう。
とにかくかける。卵かけご飯も納豆かけご飯も醤油やらからしやらとにかくじゃー、っと。
みんながみんなそうでは無い。
甜麺醤とかコチュジャンやら中華やフレンチを作る際あらゆる調味料や酒類、煮込み、濾す、炒める、とばす、また加える。調味料を組み合わせて反応を起こすことは素晴らしい。努力と才能です。
ご家庭によっては金欠、節制、質素倹約はど。
薄味の流儀などもあるでしょう。
整えるのは塩のみ、みたいなサムライのように潔いような。
ただ最近の私は、気づいてしまった。
ハマってしまったのです。
……卵かけご飯に醤油と、「ラー油」かけると。
ピリ辛で醤油が卵の旨みを際立たせてくれて、旨辛ぇ!!
そう。明鏡止水は、醤油だけではなく、ラー油にまで毒牙にかけてしまったのです。
そんなに食材買うお金がないんかい!! そんな冒涜を卵かけご飯に課しているのか、と。
と思うでしょう?
無いんです……。
今夜は更に肉にかけるドンキで買ったスパイスをそのラー油醤油卵かけご飯に入れて、生卵チャーハン気取りです。最近この味にも飽きてきたのです。
人間、貧乏になると、マヨネーズやソースや醤油、ニンニクチューブ、ありとあらゆる調味料と薬味が大活躍するんです。
限界ズボラ飯。
でも、心ではいつも「バランスの摂れた食事」を夢見ている……。
辛いものが平気な方はラー油卵かけご飯、家族には内緒でこっそり試してみてはどうでしょう。
ちなみになぜラー油をかけるようになったかと言うと。
私は餃子の酢醤油のタレにラー油を加える民なのですが。そのタレがかかった米も美味い、と感じてしまったのです。
辛いものに興味のあった私は、背徳のラー油卵かけご飯醤油がっつりを今夜も食べてしまいました。
でも、飽きてきた。
普通に夕食作りたい……。
とりあえずお仕事がんばる、と踏みとどまるのが今日のオチ?
濃い味への恋 明鏡止水 @miuraharuma30
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