賢くて綺麗で淡泊な彼女は、何故か私にだけは興味津々なようです
べいくどもちょちょ
プロローグ(小学生編)
第1話 夏休み明けの転校生
その日は騒がしかった。私はあんまりゴシップとかそういう系は興味なかったため、そういう話はクラスメイトとはしないようなやつだった。
がしかし、そんな私でもすぐにわかることが一つ。席が一つ増えている。それも私の隣。廊下側の一番後ろの席。クラスの人数が奇数だから、本当なら一番窓際の席というものが存在する場所は、少しスペースが空いている。
ランドセルは、教室の後ろのロッカーにぶち込んでいたらいいけれど、私は読んでいる最中の小説とか漫画とかをまとめてカバンに入れて持ってきていた。
だから私は、そこにカバンを置いたり、暇な授業の時は足をのばしたりできていたのに……
私が心の中で密かに自慢というか、誇らしく思っていた端っこの席が、端っこじゃなくなる瞬間だった。
「転校生を紹介します」
ざわざわと教室が一層うるさくなる。先生が廊下にいるであろう転校生に合図を送って、そいつが教室に入ってくる。
「綺麗」
「かわいい!」
「おれ、あの子好きだ!」
などと、クラスメイトが思わず声を漏らしている。あんまり人に対して印象を抱かない私でも、思わず二度見してしまった。が、私から言わせてもらうとそれだけだ。彼女は、私と同じような雰囲気をしていると思ったからだ。別に私が可愛いとかそういう話じゃない。
「初めまして。
必要最低限の自己紹介。誰とも目が合わない無表情。人をあまり寄せ付けたくないという意思表示が、オーラとして輝いて放たれている。あの子も大変だなと、勝手に同情して私は読んでいた途中の小説にもう一度目線を戻した。
朝の会が終わって、一時間目の授業までのちょっとした時間。彼女はクラスメイトの大勢に囲まれていた。正直言ってうるさいことこの上ない。私の安寧の場が崩されただけでなく、小説を読むことに対しての妨害を受けているのだ。こんなに人はうるさくなれるものなのかと、うんざりしている。残念ながら、みんな彼女と話したい気持ちで、彼女の放つオーラには気が付かなかったようだ。
まあ、私もちょっと興味はあるけど……本好きなのか、とか。
「ねぇねぇ休み時間一緒にお話しよ!」
「いや、私とお絵かきするの!」
「なーなー。放課後遊ぼうぜ!ドッチボールとかさ」
「ちょっと、怪我したらどうすんの?」
「お前は誘ってねーよ!」
そのような話を、何故私も聴かねばならぬのだろうか。ぐっ……腹が立ったので、せいぜい今だけだぞこの人気は、というよく分からない苛立ちをこの転校生に向けてみると。
「っ!」
なんでこっち見てんだよ。なんにも話してない私のことなんか見て楽しいか?こんな困惑の目に彼女も気づいたのだろう。なんだか一度にやっと笑って、
「みんな落ち着いて、一気にこられると、私なんにも答えられないよ。ゴメンちょっと席外すね」
この一言を残し、一人廊下へと消えていった。
「きれいだし、優しいね」
「やっぱり俺、ゆーかのこと好きだ!」
うへぇー。アイツもこれから大変だなーと、私は一瞬同情しつつ、やっと静かになった自席で小説を読むのだった。
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勉強だけやっててもしんどいし、かといって今書いてるやつを考えるのには時間なさ過ぎるから、勉強中によく思う妄想をここに描きとめようと思います。
まじで主人公とヒロインの人の名前が一番悩む
主人公の名前を先出ししときます。
飽き性。周りのことに対して興味を抱かない。というか知らない。
好物は豆腐、クッキー、
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