彼女は"神隠し"にあいました

Introduction

インタビュワー:

 ──ええっと、じゃあ改めてよろしくお願い致します。

 今日はお時間いただきましてありがとうございます。


葉子:

 いえ……よろしくお願いします。


インタビュワー:

 ではまず自己紹介からお願いします。


葉子:

 芝原……葉子です。


インタビュワー:

 差し支えなければ、ご年齢もお願いします。


葉子:

 今年は、あの……西暦、何年でしたっけ?


インタビュワー:

 2024年です。


葉子:

 昭和六年──ええと、1931年生まれですので……。

 九十三歳、でしょうか。


インタビュワー:

 ありがとうございます。

 それで今回は芝原さんの半生をお聞きしたいな、と。

 芝原さんは『神隠しに4回あった女』として有名ですが。

 まあ最近は知らない若者も増えてきているようですし。

 その、芝原さんを懐疑的な目で見る方も多いようで。


葉子:

 そうですね……。

 施設の方にも度々、その様な電話が……。


インタビュワー:

 なので、改めて芝原さんに神隠しのお話をしていただいて。

 少しでもその、懐疑的な目を、減らせればと。


葉子:

 はい。私としてもそうなればな、と思っております。


インタビュワー:

 それでは、まずは簡単な生い立ちと。

 1回目の神隠しについてのお話をお願いします。

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