魔石ガチャを手に入れた俺は、幸運過ぎる〜〜

ラララ

第1話

fortunate幸運な運に全振り?ナンセンスだね!」


 俺の中で一番耳の中に残っている言葉だ。

 キザな口調だったが迷宮社の中でもそこそこの評価の男だ。

 だからこその信憑性があるとも思えるし、無いとも思える。


「君はSPが高いんだ。決して運なんてくだらない者に振るのは100位でいいんだよ。もうやめときな」


「運に振ったら人生も棒に振っちゃうよ?それでもいいの?」


 最後のはギャグなのかどうかはわからない程度の親父ギャグだがともかく、俺は幸運値に振りまくっている。


 そもそもこの世界がなんなのかを説明しなきゃな。


 ある日、世界は喧騒に包まれた。

 一国に一つ、迷宮と呼ばれるものが現れたのだから。

 その時俺は思った。

 これあれであれで無双する展開!?


 しかし、決して物語の中の小説の国連程、政府はバカじゃ無い。

 税金の値段がバグってるだけ。

 それは兎も角、自衛隊やアメリカ軍基地の人材を借り、迷宮を占領した。迷宮は貴重な資源が取れることで有名となった。

 しかし、世界は一気にに物量が減った。

 世界が同時にモノを消費し始めたのだ。

 更に鉄鋼資源がある国は値上げをし、日本はあり得ないほど鉄製品の値段が上がった。

 これが令和の米騒動②と呼ばれる様になったのはそのすぐ後である。

 そうして、自衛隊は撤退せざるを得なくなった。

 しかし、アメリカ軍がそこから資源を出し始めて、祖国、アメリカに送り始めたのだ。

 しかし、交渉も門前払いであり、軍事力も国力も何もかもが敗北している状況を指を加えていることしかできなかった。


 そこに一石を投じたのは個人の組織であるマルチロストペイレイス社、通称迷宮社だ。

 以前から、迷宮から出てくるものの加工に優れていたので武器を作り、それを売るというビジネスを始めたのだ。

 他の国には無い伝統的な加工技術のおかげで、日本の迷宮、長野県伊那市の通称伊那ダンの周りは大繁盛し始めた。

 その後、自衛隊が復帰して、幅を利かせていたアメリカ軍が肩身が狭くなってしまう。

 その結果日本がダンジョンからの撤退しない限り、我が国は日本のダンジョン関連に支援は一切しないと宣言してしまったのだ。

 この発言は相当重く、事態を重く見做した老害共が騒ぎ立てる。

 一体なんのためになるのやら。


 その頃からだろう、氾濫スタンピートが起こり始めたのは。

 初めは海外だった。

 日本も起こった。

 自衛隊は壊滅状態、民間にも被害が出そうな状況で即座に立ち上がったのは、迷宮社であった。

 迷宮社社長も参戦し、スコヴィル値1000万級の激辛タバスコを1L飲み干したほうがマシという話をしたという話は有名だ。

 その状態で明らかになったのが、自己検査マイチェックだ。

 自分の状態やステータス、SPを確認することができる力であり、非常に便利だがあまり世に知れ渡ってはいなかった。

 これを秘匿していたわけでは無いが、民衆からの意見で怒りを買っていること察し、早めに退陣した。内閣総理大臣もいる。

 誰かは忘れた。


 それから、人によって5〜10までの成長ポイントSPがあるのがわかった。

 その差で英雄かどうかも決まるものなのだ。


「俺はSP20ポイント」


 ステータスは



 横嶋 健太


 LV:30


 STR:230


 VIT:210


 AGI:210


 INT:210


 DEX:210


 LUCK:602


 APP:42


 スキル:腕力強化、拳術、剣術



 一番最初だけSTRに振ってそれ以来は幸運値に振りまくっている。

 ステータスが一定の所まで行くと、ステータススキルが手に入れられる。

 そして、自分に合ったスキルをレベル上昇で手に入れられたり、努力の結果手に入れられるスキルもある。

 例えば、剣術とか拳術とか。

 APPはレベルが上がらないと増えない。

 ただ淡々とレベル上げを繰り返す。


「腕力強化」


「げ、ぎゃぎゃぎゃ」


 緑の姿をした醜い小人が現れる。

 3体ほどだ。

 経験値だけは美味しい。

 まあ、worst2ぐらいだ。

 因みに最下位はスライムだ。

 妥当だろう。


「ふん!」


 側頭部をナックルで殴打する。

 武器の点検が少なきて済む点が優秀だ。


「へ?」


 ゴブリンが倒れた所に初めて見るものが発生したのだ。


「ファーストトレジャーボックス!?」


 幸運なものだけに訪れる高級宝箱。

 1億体倒すか、天文学的な数字を引くかで手に入れられ、何が出てくるかは今欲しいものが出てくる。


「何が出るかな?」


 開けた瞬間、見たのは……


「チッ、ポーションなんていらねーよ!」


 しかし、いや?鑑定機に持って行くべきか?と考える。

 鑑定機とは物を鑑定してくれる便利アイテムだ。

 端的に言うと、デカい。


 そう思いながら帰って行くのだった。


 ◆◇◆◇◆◇


 まだ帰るには早い時間帯だし、閑古鳥が泣いちゃってるぜ。


「鑑定おなしゃーす!」


 そう言いながら、500円玉を入れ、ポーションを挟む。

 ウィンウィンと音が鳴った後、紙一枚とポーションが出てきた。


 何々?

 幸運のポーション?


 ______________



 幸運のポーション


 幸運値が2398増加する。

 魔石ガチャを入手する。

   

 ____ __________


「ふぁ!?」


 いや、思わず声が出ちゃったよ!?

 うそ!

 えっぐいの来たな。


 飲むか……



 横嶋 健太


 LV:30


 STR:230


 VIT:210


 AGI:210


 INT:210


 DEX:210


 LUCK:3000


 APP:42


 スキル:腕力強化、拳術、剣術、魔石ガチャ、ドロップ率増加、ラッキーパンチ



 うっそーん。

 やばいじゃないかよ。

 運ってあれでしょ?

 1000行ってもステータススキルが得られないで有名なあれ。

 俺はそれに振りまくったんだぜ?

 遂に巡り巡ってきたって訳よ。

 今日は一旦帰るか。

 義妹とはいえ、俺の家の家事をやってくれた優しい奴だもんな。

 月収30万だから、あいつもパートやってるって言ってたし。


 そんなこんなで帰宅することになるのだった。


 ◆◇◆◇◆◇


「へー、お兄ちゃん、やっと?」


「ああ、そうだ。第三層に潜っていこうと思う」


 第二層とはゴブリンがメインで、初心者が大量にいるあそこに俺は一ヶ月程いた。


「なら、私も連れて行って」


「は!?急に何を言い出す!そもそもLV1は連れて行かない!LV30で俺と一緒になってから!」


「なら行けるね、私パートって言ってたけど実はダンジョンに潜ってたの。お兄ちゃんだけには任せられないよ」


 その時点で俺はこめかみに手を当て眉間に皺を寄せた。

 返す返すも、反論が見つからない。

 だめだこりゃ。


「あーもう、確かにそろそろソロはキツイと思っていた所だしな。所でお前はどんな振り方をしたんだ?」


 俺は聞く。


「後衛特化型かな。こんな感じ」


 そう言いながらステータスを見せてくる。


 横嶋 明日香


 LV:30


 STR:120


 VIT:120


 AGI:150


 INT:450


 DEX:210


 LUCK:20


 APP:50


 スキル:脚力強化、基礎魔法、思考加速、並列思考、器用



「お前には俺もスキルも見せといてやる」





 横嶋 健太


 LV:30


 STR:230


 VIT:210


 AGI:210


 INT:210


 DEX:210


 LUCK:3000


 APP:42


 スキル:腕力強化、拳術、剣術、魔石ガチャ、ドロップ率増加、ラッキーパンチ



「へ?LUCK3000?こ、これバグっちゃったりしてない?」


「ねーよ、俺はゴブリンのファーストトレジャーボックスを手に入れたってだけだ」


「ああ、でもその時まで幸運値にしかSPを振らなかったんでしょ?バカじゃ無いの?後ラッキーパンチの効果くらい確認しておきなよ」


 そう言えば……


「確かに」


「はあ、こうね」


 ___________


 ラッキーパンチ


 全ての攻撃がクリティカル判定になり、1.5倍になる。

 メタル属性に属する敵に対して非常に効果的である。


 __________



 これ完全に破茶滅茶なこと言ってね?


 メタル属性っていうと、どれだけSTRに振っても倒せず、かと言って一撃で倒れることもあるため、クリティカル攻撃でしか倒れない説まで浮上しているメタル属性!?

 これ色々チート気味じゃないかな?


 まあいいか、そんなことは置いておいて、魔石ガチャがきになるぜ!


「魔石くれないか?」


「ん?ああ、これの事?確かに気になるね。やってみよっか」


 魔石極小を50個程置く。


 タラリン♩


 非常に耳障りな音が耳の中に鳴り響くのだった。

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