Chapter2 

長編 ブルーの消失

episodes2 美愛と虹色宝石(レインボージュエル)

金曜日の午後。珍しく明日から4連休で、世間は休みだ!とどこも混んでいた。

中学生の朝田美愛あさだみあは、鼻歌を歌いながら散歩をしていた。

「ひったくりよ!」

女性の声がして前を見ると、全身黒い服の男が女性のバックを持って走っていた。

「追いかけなきゃ!」

美愛は男を追いかけた。

「ええい!」

そして、その男を殴った。

男は倒れた。

美愛はバックを取り返すと、女性に渡した。

薄いピンク色のワンピースを着た長い髪の女性は「ありがとう」と美愛にお礼をした。

「どういたしまして!私は朝田美愛。」

「美愛ちゃんって言うのね。よろしく。私は鹿野恋花かのれんか。」

美愛は「鹿野」と言う名前を聞いて、ぽかんと口を開けた。

「どうかした?」

「ただ、鹿野ってどっかで聞いたことあるような気がするな〜と思っただけです」

恋花は驚いて言った。

「あら、知ってたのね。鹿野グループのこと。私は鹿野グループの鹿野幸真かのこうまの娘なの」

恋花は笑う。

「そうなんですか?えええっ、すっごい!」

「美愛ちゃん。このバックには、7つの宝石・虹色宝石(レインボージュエル)が入っていて、お父さんに届ける途中だったの。お礼に、明日から始まる鹿野グループ30周年記念船上パーティーに招待するわ!良いかしら?」

「え?い、良いんですか!?」

「良いに決まってるわよ!だって、この虹色宝石を泥棒から取り返してくれたんだもの!」


バックを取った男の声がして、美愛は後ろを向く。

男は、立ち上がって逃げ出した。

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