佐々木黒斗(ルパン)の復讐‼️ 813 Revenge in TEH Nightmare

迷M _りみ@ちょっと体調不良😷

プロローグ

4月8日。

校庭にはきれいな桜がさき、空は青く澄み渡っていた。

ここは、静岡市にある私立成山大学附属高等学校(通称・成山高校)。

生徒たちは入学したばかりだ。

移動教室の授業を終えた生徒がぞろぞろと教室に向かって廊下を歩いていた。

掲示板には「入学おめでとう」と書かれたポスターが貼られ、天井には綺麗なアーチ状の飾りがまだあった。

廊下は大賑わいだ。

新1年生の1人・佐々木黒斗ささきくろとは、自分の教室に向かって猛ダッシュしていた。

「やっぱり遠いなあ。オレのクラスは!」

成山高校は1学年に7クラスあり、廊下が少し長い。

「やあ、佐々木くん」

前から聞こえてきた声に驚き、黒斗は足を止めた。

そして、その声の主がいる方を見た。

「って、お前かよ!」

目の前にいたのは、幼馴染かつライバルでもある真面芽まじめ・アーサーだった。

「廊下は走るところじゃないだろ?まあ、君は昔っから廊下は走るところだと思っていたみたいだけどね」

「急ブレーキしたら転びそうになったじゃねえか!車は急に止まれないぞ?」

「廊下は歩きましょうって、先生に言われなかった?」

それを聞いた黒斗はため息をついた。

「入学早々お前に会うとはな!リア充・真面芽・アーサー!」

「いや、僕だって君に会いたくなかったよ。それに一言余計だ!君だって、中学生の空蘭そらくんに恋っ・・・」

「うるせー!何が恋だ、あんなヤツ!」

空蘭というのは、中学2年生になったばかりの黒斗の幼馴染である。

「あそこ、またやってる・・・」

廊下にいた他の生徒たちが黒斗と真面芽のケンカを見て言った。

「このバカ芽!」

黒斗は真面芽に殴りかかった。

「やったな、アホ木くん!」

それを避けた真面芽は勝手に近くのクラスに入り、掃除ロッカーから「ちょっと借りるよ」と言って教師用の大きなほうきを取り出した。

そして、また廊下に行く。

「お前、それを武器に・・・!くそっ!」

真面芽はほうきを武器に、黒斗に攻撃してきた。

「うわあっ!」

黒斗は慌ててそれを避けながら走って教室に向かった。


###


1時間目の授業が始まった。

「よりによって朝っぱらからアイツと会うとは・・・。それに、アイツが同じクラスなんてなー・・・」

黒斗は数学の教科書を開きながら、教室の窓側にある自分の席でため息をついた。

「なあルパン!怪盗星青玉って知ってるか?」

成山中学でずっと同じクラスだった山田が黒斗の後ろの席から話しかけてきた。

「怪盗×⚪︎◻︎△☎︎♨︎・・?おい山田、いまなんつった??」

黒斗は耳に手を当てて、聞こうとした。

ルパンというのは、黒斗のあだ名である。

「あら、知らないの?昔世間を騒がせてた泥棒よ」

隣の席に座っている、濃い紫の長い髪にセーラー服という格好のクールビューティな女子が黒斗に話しかけた。

黒斗の幼馴染・雪原千星ゆきはらちせだ。

「ええ、お前も知ってんのかよ?」

「佐々木君こそなんで知らないの?結構世界的にも有名よ?パリなんかに現れたりしたこともあったし・・・」

千星は片手でスマホをいじりながら言った。

「てかお前、何見てんだ?」

黒斗は千星のスマホの画面を覗き込んだ。

怪盗星青玉スターサファイア・・・?だれだそいつ」

画面には、「怪盗星青玉スターサファイアからの予告状!」と書かれた10年くらい前の記事が写っていた。

「この人、ある時から姿を見せなくなったの・・・」

千星は少し悲しそうな表情をしながら言った。

「さみしいのか?」

黒斗が聞くと、千星は1度戸惑った。

「・・・。さみしいわけないでしょ!急にいなくなって・・・!信じらんない!あっ」

千星は、「喋りすぎた」と言わんばかりに顔を赤くしてスマホで隠した。

すると、前の席から声がした。

「佐々木くん」

「げっ」

前の席には、真面芽と早乙女桃音さおとめももねが座っている。

「くそー!なんでコイツと毎回毎回席が近くなるんだっー!」

黒斗が文句を言っていると、担任の先生が入ってきた。女の数学教師、山野良子やまのりょうこだ。

「じゃあ授業始めますよー」

山野がそう言うと、教室が一気に静まった。

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