『本当に大丈夫か?』……少し不安ですが問題ないですわ!
オレはメルナが泊まっている宿にいる。そう部屋の前の通路側で壁に寄りかかりながらメルナを待っているのだ。
まだか? まさか装備の仕方が分からないなんて言わないよな。なんか不安になってきた。
そう不安に思い扉の前を行ったり来たりする。
流石に部屋の中に入れないしな……信じるしかないか。
そう考えオレは扉をみつめた。
――場所はメルナセリアの居る部屋に移る――
「確か、こんな感じでいいのですよね?」
私は姿見鏡で確認しながら着替えていた。
んー装備をつけると地味ですわ……ですが身を護るため仕方ないのですよね。
「あとは髪を軽く結っておきましょう……邪魔になりますものね」
鏡台の前の椅子に座ると髪を整え始める。
楽しみですわ……グランと一緒に魔物を倒す。まあ魔物を倒すのは、どうでもいいけど……。
グランのそばに居られるだけでいいのですから。
私はグランの顔を思い浮かべた途端、体が熱くなった。
「ああ……グラン……。早く仕度を済ませないと」
急ぎメイクをし直すと髪を下の方で結い整える。
最終チェックが終えると私は立ち上がり杖と必要な荷物を持ち部屋を出た。
★♡★♡★
部屋を出た私はグランを真っ先にみる。
「お待たせしてしまって、ごめんなさい」
そう言うもグランは、ジーっと私をみて顔を赤くしていた。
「グラン、どうしたのですか? もしかして私が遅かったから怒っているの」
「ハッ! いや、違う。す、凄く似合ってるなと思ってな」……――
――……(顔だちのせいなのか……スタイルのせい? 余りにも素敵すぎて戦乙女のようだ。いや、剣はもっていなかったな……)
「そうかしら! 嬉しいですわ……ありがとうございます」
ほわぁ~良かったですわ……それに、わ~い褒められてしまいました。あとは実戦でですよね。楽しみです~。
「ああ……それよりも急ごう仕事の方もあるしな」
そう言いグランは私に背を向けて歩き出した。だけど……なぜか歩き方が、ぎこちないのはどうしてなのかなと思う。
私はそう考えながらグランのあとを追いかける。
★♡★♡★
ここはファルミゴの町の外。そしてファルイオス草原だ。
そういえば徒歩で町の外に出たのは初めてでしたわ。
そう思い急に怖くなってくる。
「メルナ、顔色が悪いみたいだけど……大丈夫か?」
「は、はい……多分。ただ……馬車に乗らずに外に出るのが初めてでしたので」
「…………馬車って……なるほど……やっぱり、やめるか?」
そう言われ私は、ブンブンと首を横に振った。
「いえ、自分の力で生きると決めたのですもの……やめるなんて選択肢はありませんわ」
「あ、ああ……そうか。じゃあ無理はするなよ」
「はい、駄目だと思ったらグラン……サポートをお願いしますね」
そう私が言うとグランは、コクッと頷き真剣な表情になる。
その顔が余りにも素敵すぎて融けてしまいそうになった。
その後グランは先へ向かい歩き始める。
そのあとを私は追った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます