前のエピソード――第46話戦略

ゴルフは問いかけました。「ねぇ、これは正しいことなのかな？」

その問いに対して、主人公の佐藤健一は首を振り、深いため息をつきました。「正しさなんてかけらもない。こんな事を正義感で指示するやつがいたとしたらそいつは本物のサイコパスだ。モンスターたちのプライドを傷つけていることも分かっている。だが仕方ないだろう、俺たちの相手は過去に核兵器を使ってきた本物のサイコパスなんだから。」

ゴルフはその言葉を聞き、黙り込みました。彼の心には、正義と生存の狭間で揺れる複雑な感情が渦巻いていました。健一の冷徹な戦略は、モンスターたちの未来を守るための苦渋の選択であり、その代償として彼らのプライドを一時的に犠牲にしているのです。しかし、それでも彼は信じていました。この道が、モンスターたちが未来を勝ち取るための唯一の方法であることを。

ゴルフが唐突に言いました。「ねぇケンイチ、彼女作ったら？」

健一は驚いてゴルフを見つめ、困惑した表情を浮かべました。「なんだ急に…そんなこと考えてる余裕なんてないだろう。」

ゴルフはにやりと笑いました。「だからさ、少しは気を抜いてもいいんじゃないかって思ってさ。俺たち、いつもギリギリで生きてるけど、たまにはリラックスするのも大事だろ？」

健一は深いため息をつきました。「それはそうかもしれないけど、今はやるべきことが山ほどあるんだ。恋愛なんて、今の俺には贅沢すぎる。」

ゴルフは肩をすくめて言いました。「まぁ、そうかもしれないけどさ。いつかその贅沢も許される日が来るといいな。そしたら、真剣に考えてみなよ。」

健一は少し微笑んで答えました。「わかった、ゴルフ。ありがとう。でも、今は目の前の課題に集中しなきゃいけないんだ。」

ゴルフはその言葉に満足げにうなずきました。「よし、それなら俺ももっと頑張るさ。ケンイチのためにね。」