魔法飛び交う異世界でもやっぱり竜騎兵は強い説【検証してみた】【この作品に含まれている特定アレルゲン:ありとあらゆる種類の変態】

ななお

第一章 異世界だよ!!!(変態)全員集合の編

第1話 転生変態より愛を込めて

俺はもともとラノベを愛する紳士としてこの世に生誕した。


どのような作者のどのような性癖をも常に受け入れる。

それが俺にとっての礼儀であり、紳士の嗜みだとも思っている。


前世では一生涯を賭けてまで、未知の性癖を探し歩いたものだった。


種族、年齢、性別、性格、容姿、言動。

ありとあらゆるキャラクター。


時代、場所、人数、関係性。

ありとあらゆるシチュエーション。


全てを乗りこなしてきた。


結果、俺は、、、とてつもないド変態へと変貌を遂げていた。


ちなみに俺が一番好きなのは、


「俺のことが大好きで一途なのに俺の変態性に理解を示す包容力があって、なおかつドMで愛に飢えた狼みたいな見た目色白な中学生の激強合法ロリババア」


というこじれに拗れまくったやつ。

しかも合法ロリババアを所望しながらも乳は発達段階にあるのが良いというこだわりも兼ね備えている。


流石に現実に存在するとは思ってないが(フラグ)。


他にも俺にはたくさんの性癖がある。


断っておくが、俺に元からその素養があったわけではない。


時には倫理の問題と戦ったり、自分の中の常識を打ち破らなければならない。

あるときは自分の無知と不理解故に同志を傷つける事もあった。


しかし、それでもなお、異なる人間が相互理解できることを信じて邁進してきた俺としては、この成果はとてつもなく大きいものだった。


全ての人間は変態になることが可能なのだ!!!

そして、人類全員が変態になり、みんなが他人の性癖を認め合う紳士さを持っていれば、人類は今までの愚行をやめるに違いない。


そう確信し、紳士を増やすために努力を重ねた。


だが、その成果が実る前に、


俺は貧乳原理主義者によって殺されてしまった。


俺はロリの発達段階にある貧乳に癖を見出していたが、ある一派はそれが気に食わなかったらしい。


曰く、「貧乳はどうあがいても成長しないそれにコンプレックスを抱いたり、壁だ壁だとイジられて凹んでしまうのがいいのだ。」と。


解釈の不一致ここに極まれり、といった状況だろうか。

考えてみると"貧乳"という概念は広すぎたのかもしれない。

それぞれが『貧乳コンプレックス』やら『成長乳』やらと概念を分けてしまえばいいのかもしれない。


元来の「おっぱいが小さい」という意味は各々によって「胸が完全に無い」、「胸が成長中」、「周りに比べて小さめ」とサイズだけでもバラバラに解釈されてしまう。

そこに「大人の貧乳」、「子どもの貧乳」、果てには「男の貧乳」などと言われればもうどうしようもないほど細分化される。


みんな違ってみんないい、それでいいじゃないかと思うだろう。


それでも"貧乳"に対する思い込みが争いを過激化させるのだ。


俺は無念だとは思わない。

しかし、途方もなく悲しい。


俺は全てを愛そう、と。

愛することはなくとも認め合おう、と。


そう言ってきた。


みんなが少数派変態少数派変態がみんなである世界を実現したかった。


まさかあこがれのガンディー偉大な変態の先人と同じ結末を迎えるとは。


人類は未だに進歩していない。

死の瞬間、俺の頭には絶望が広がった。


だが、トラックに轢かれてやられたのが幸いだったのか。


気付いた時には別世界に意識が飛んでいた。


自分の意識がどこかわからない宙を彷徨っている間、これは異世界転生だろうというオタク特有の勘を信じながらいまかいまかと待っていた。


そして、意識が身体に吸い付くような感覚がして、目を開けると、、、

手が動かない。


(まだ幼い身体に転移したのか)


テンプレだな、と思っていたその瞬間、


視界に飛び込む一面の雪山。

肌から伝わる凍てつくような寒風。

遠くから聞こえる狼の遠吠え。


明るく楽しい異世界生活を期待できるテンプレ。

そのすべてを外された俺の絶望はさらに増したのは言うまでもない。


(豊満な体つきのエッッッ!!!な女神からの激強チートは???辺境だけど家庭環境が良好な中流貴族の美人な母ちゃんのおっぱいは???それがだめならせめて怪しげな魔導陣で勇者を召喚した腹黒の国王に魔王討伐を依頼されて要らなくなったら裏切られる世界線でも今だったら許すレベルなんだが???)


厳しい現実はまだ続く。


俺は生まれたときから親のいない、捨て子だった。


よりによって、捨て子から始まる異世界生活があるのかと、その時ばかりは身の不幸を呪った。


ただ、どんな世界でも救いはあるようで、その後とある国王に拾われて今では一国の皇太子をしている。


そのあたりの話は割愛させてもらう。


別に話したくない訳ではないのだが、変態同士が醜い性癖暴露対決をしてジャンプ漫画のような奇跡の意気投合をする話は聞きたい人もあまりいないだろう。


兎にも角にも皆さんには毎度恒例のことながら、この異世界のことについて知ってもらわなければ話は進まない。


とはいっても、この世界も他の有象無象と同じように中世の魔法ファンタジーの世界だと思ってもらえればいい。


騎士が剣を振るい、魔法使いが魔法を放ち、農民が耕し、聖職者は祈る。

例のあの世界。


ただ、少しばかり違うところがあるとするならば、この世界、異常に技術ツリーの開放が早いのだ。というか逆に社会ツリーがなおざりにされている。


要は鉄道が敷かれ、綿織物が大量生産されている世界でまだまだ騎士が領土を持ち、都市がギルドを作り、農民は農奴寸前のひもじさに耐えている混沌カオス、それがこの世界である。


もう一つ付け加えるなら、地理が地球とほとんど同じということもある。前世で培った地理感覚がそのまま使えるのはありがたかった。それに文化や社会形態も地球とよく似ている。


無論、例外はあるのだが。


これが俺にとっての第二の生誕地であった。




〜歴史の語り部A〜


黒海沿岸低地。


地球でもかつては遊牧民の楽園として存在した肥沃な大地である。

世界初の遊牧国家スキタイはこの恵まれた地域を中心に栄え、没落後も多くの遊牧民の住処であった。


それはこの世界においても同様で、バートルモ族が王国を作り、多くの部族を束ね、一大勢力となっている。

地球で言うオデッサを拠点としながらも、ウラル山脈以西やコーカサス地方を征服し、カザフスタンやモンゴル方面にも多大な力を有していた。

さらには軍事力のみならず、交易も盛んで東西を結ぶシルクロードの支配者としての地位をも確立している、時代の覇権国家であった。


そのような強大な国であるにも関わらず、その支配体制は極めてシンプルで官僚はおらず、政務のほとんどを一族で行うような原始的なもの。

故にその支配者は桁外れの能力を有していなければ統治は不可能であった。


ビュフェス=バートルモ。


バートルモ族唯一の姫であり、王国の実質的な宰相でもある彼女は、、、困っていた。


「よりによってこのタイミングで帰ってくるとは、、、。良い話には悪い話がハッピーセットとはよく言うがこれは、、、どうしたものか。」


彼女の持つ純白の、透き通るほど清げな髪をかきあげながら、ビュフェスは悩む。


「父上ときたらいつも余計なことをするからな。古龍に復讐しにゆくと言っては何百年・・・も碌に連絡も寄越さぬのに今頃になって古龍の首をぶら下げて戻って来るとは、、、。本当にどうしたものか。」


彼女が困っていたのは世紀をいくつも跨いだ父王の帰還だった。

常に即断即決を要求し、自らもそれに習っているビュフェスがこれほど悩むのには理由がある。


「これでは勢力争いに発展しかねん。私はただでさえ、軟弱外交と言われて一族の若い連中には疎まれているというのにあの戦闘狂父上を担ぎ上げられては困るぞ。」


もう何百年と生きているはずのビュフェスはどう見ても高校生としか見られないほどの美貌と若さ(幼さと言ってもいいかもしれない)を残した顔を少し不機嫌そうにしかめると、


ふむ


と頷き目線を上げた。


「どうしたものかな?何か良い案でもあれば聞きたいものだが。ダン将軍?」


「わたくしのような若輩者にはなんとも。それと昔のように気兼ねなく"エーゲル"と呼んで下さっても結構なのですよ?」


自らを若輩者と言う壮年の男は慇懃な態度を取りながら答えた。

いかにも優秀といった様子を醸し出し、不遜とまではいかないまでも自分の実力に対し深い自信と信頼を置いていると見受けられるこの歴戦の老将でさえ、目の前の少女への深い尊敬と敬意を隠そうとしない。(正確には少女ではなく、小女と言うべきだろうが。)

かつての腹心でもあったこの老人の様子にビュフェスは少し安堵した。

冬の寒いゲルの中でテーブルの上のホットミルクを少し飲むとあからさまに今までの緊張を解いた。


「ふむ。ではエーゲルよ。南部方面の守備の任、ご苦労だった。お前が居なければあの変人率いる軍の対処を私自らする羽目になっていたかもしれん。」


「サウジマウルの第三王子ですな。あの若造めにはわたくしでも相当に手こずりましたからの。今この王宮にいる武将連中では手も足も出ないでしょうが、、、ビュフェス様であれば防衛どころか侵攻軍の壊滅も出来たでしょうからな。まだまだ研鑽を積む所存。」


「ふむ。あの若者には一度しか会っておらんが、あれが天才というものかな。十年後には相当な人物に育っているに違いない。」


違いない、とエーゲルも頷く。

さて、と言いながら、ビュフェスは立ち上がった。

その姿には一国の執政者たるに相応しい威厳が戻っている。


「王令である。エーゲル・ダン将軍。貴殿のコーカサス戦域団長の任を解き、新たに近衛兵団の"司団長"に任ずる。」


ははぁ、とエーゲルが恭しく辞令を受け取ると、ビュフェスは説明を続けた。


「私の直轄の部隊だ。数は少ないが数多くの氏族から選りすぐり600人を集めた。部隊の掌握と錬成を急げ。」


「はは!噂に聞くビュフェス様の虎の子ですな。腕が鳴ります。」


この部隊、本来なら直属の官僚を作る計画だったものが、武官はともかく文官を育てるのは騎馬民族には難しそうだったので、泣く泣く直轄の部隊を創ったという事情があるだけに、ビュフェスとしては苦労した分扱き使ってやる気満々である。


「それとだ、エーゲル。わかっていると思うが父王に万が一があればその時は"手伝って"貰うぞ。」


「ははッ!このエーゲル、老骨ながら"ビュフェス様に"付いて参ります。」


お前が老骨なら既に年齢も分からなくなった私はどうなるのだ?と冗談めかしながらもビュフェスの目は真剣であった。


彼女の目には今まで守ってきた肥沃で壮大な原野と、遠い昔に我々の一族を受け容れてくれた遊牧民達の顔姿が写る。

遊牧民として土地を失う事はどうでもいい。

別の場所に移ればよいのだ。

男が死ぬのは構わない。

それは勇敢な戦士の死だ。

されど、肥沃な土地であれば違う。

女子供であれば違う。

生命線なのだ。

そして、近く没落してゆく我々"遊牧民"の未来でもある。


それを失う事は例え父であったとしても寸分も許さない腹積もりをビュフェスは持っていた。


「まあ父上の出方次第だな。」




ビュフェス視点



数日後、、、


父に呼び出された私は王宮の一室でソファーに座り、父王に対面していた。


「私をフットウントに嫁がせる、、、とおっしゃいましたか、父上。」


「うむ、これはフットウント側からの提案だよ、ビュフェス。済まないが、返事は既にしているのだ。どうか承諾してくれないか?」


正直参った、と私は素直に思う。

想定では王宮内の恩顧のバートルモ族が知らせてくれると考えていた。しかし、現実はそうではない。

これは悪い兆候である。

既にバートルモの一族は父上によって掌握されてるのだろう。

いや、まあいい。

問題はこれを受けるかどうかだが、国家間の約束を反故にする事はできない。

これは私の信条である。

なんだかんだ言っても、父上は私のことをよく見ている。

私が断ることができないことも。


「お前は結婚したいと言っていたな?」


それはいったいぜんたい、いつの情報だ。

確かに言った記憶はあるが、、、何百年前の話をしているのだろうか。


「今までは儂も忙しく、お前は国の面倒で精一杯だったろう。これからは自分の幸せを見つけるのも良いと思わないか?」


これを聞いて、親心などと勘違いしてはいけない。

要は「自分は好きに(戦争)したいからお前も好きにしろ」ということ。


「儂はお前の幸せを思って言っているんだ。」


私の幸せは、絶対に考えていないな。

とはいえ、これで恨むのもお門違いだ。


そもそも私は父上の実の子ではない。

直接父に聞いたことはないが、わかってしまう。

幼いときから母がいないのはまだいい。

決定的なのは父は栗色の髪で私の髪は混じり気一つ無い白であることだ。

だから、父は物珍しさから私を拾い、育ってからは私の能力のために私を姫に仕立てた。


だけど、私を育ててくれた。

それだけでも恩を感じるべきなのだ。

尊敬している恩人ではあるが、愛情を受けたことは無かった。


だから、


だから、


だから、良いのだ、私は。


、、、、、行こう、フットウントに。


「私は行こうと思います。今までお世話になりました、、、父上。」


「ああ、言い方は悪くなってしまったかもしれないが、、、儂は本当に、、、お前の幸せを願っているよ。結婚おめでとう。」


「、、、ありがとうございます。」


何故かその時、父上から父親の匂いがした。だが、それを掻き消すように父の言葉が続く。


「相手は"ハグレ者"こと、ハンゲル皇太子だ。フットウント王国内の評価は、、、正直王家の人間としてはほどほどだ。ただ、人によってだいぶ評価が違う。ボンクラだと聞くこともあれば真の英傑という声もある。いずれにせよ、、、無難な人間ではない。」


父がなぜそんなことを知っているのか戸惑ったが、大方古龍を討伐する中で諸国を放浪したのだろう。

なにせ、古龍は"動く天災"と呼ばれるような常に居場所を変える生き物だからだ。

追いかけるうちにフットウントにも行ったのかもしれない。


「しかしな、お前はそういう人間が好きだろう?」


「ええ、父上。」


こればかりは自分でも事実と認めざるを得ない。

いくつも身に覚えがある。

例えば私の信頼する部下のエーゲルは若い頃、仲間を集めて隊商の護衛隊長をしていた事があった。

遊牧世界では結構な名家出身であるのに普通に護衛をしていたのみならず、自ら先陣を駆け、敵に矢を射掛け、敵を斬り伏せ斬り伏せするうちに、烈火のエーゲルと呼ばれ、一帯の馬賊に恐れられていた。

そういう尖った人間は大抵手元に置いておきたいと思うのが、私のある種のへきである。

元からダン家とは付き合いが深かったこともあり、実家の方から手を回してもらって、強引に副官にした。

今のエーゲルはその成長後の姿である。


しかし、それだけ、能力値の尖りだけでは恋愛対象にならないと私は思うのだ。

"思う"という表現を使っているのは私がまだ、身も心も、恋すらしたことのない乙女だからである。


幼い頃から大きくなったら"変態"と結婚したいと言って父を困らせていたらしいが、今でもなお、その気持ちは変わらない。


なんだかんだ、エーゲルは普通人だ。多少プライドが高くて、自分に酔っている部分はあるけれど、それはこの年になったからで、昔はただの生真面目でヤンチャな妙なところで意識の高い青年だった。


それでは足りない。

私が望むのは真に変態である人間だ。

私よりブッ飛んでるくらいがちょうどいい。

だが、私がこの世の中で一番の変態であることはよく知っている。

だから、ハンゲル皇太子にも期待はしない。


だけど、あわよくば、、、こんなロリ体型の私を、貧相な身体の私を、全力(意味深)で、愛してくれる(意味深)、そんな人であったなら、、、。



「ヘックション。」


「大丈夫ですか?ハンゲル様。」


「いや、大丈夫、、、だと思う。誰かが俺の話をしてるのかもね。『キャ~、ハンゲル様大好き〜』みたいな女の子、それもちっちゃくて可愛い子だと良いなぁ、ぐふふ。」


「ハンゲル様、妄想は良いですが御結婚の話が進んでいるのですからいい加減にしておかないと御嫁様に怒られますよ。」


「えぇ〜、それこそ例のビュフェス姫がロリだったりしないの?」


執事は、これだからうちの皇太子は、、、とでも言いそうな呆れ顔で言った。


「残念ですが、それはございませんな。なにせ『双燕』の二つ名を持つ姫ですよ。面積はフットウントの軽く3倍を超え、数万もの騎兵を有するバートルモ。精鋭のバートルモ弓騎兵はテルシオのパイク兵をバターのように溶かすとまで言われる彼の国を、何百年もの間まとめ上げる年齢不詳の女。あまりにも古くから生きているために、我が国の歴史書には"冒頭から"その名が存在します。フットウントの王国民はその名に恐れをなし、子供は恐怖で泣き止むとまで言われr、、、」


「まあ、それくらいでや〜め〜て〜。」


ハンゲルは下衆びた顔で、ニタァ、と笑いながら言う。


「俺の妄想は止まらないし止められない。それにまだ可能性はあるよ。『双燕』。可愛らしい二つ名じゃないか。鷹とか鷲とかに比べれば、さ。」


「いえ、『双燕』とは彼女特有の二刀流を比喩して、、、」


また解説を始める執事の話を聞き流しながら、ハンゲルは再び妄想に耽る。


「ロリしか勝たん!!!!!」


「私の話、聞いてましたかぁ!!!???」



いつもはこのようなお方ではないのだがなぁ、と執事は内心複雑な心持ちである。


「キンバー、ロリって良いよな。」


「だからといって、メイドを全員小さい子にやらせるのは許しません。」


「えー、いいじゃん。キンバーも好きでしょ?」


「毎度のことながら言います。私は神に誓って巨乳派です。そもそも既婚者ですよ。」


わかってないな、という顔をするハンゲル。


「ロリと巨乳は両立するのだよ!」


やっぱりこのクソロリコン、さっさと○なないかな。





ダン将軍視点。



(今日も愛らしいお姿であるな。)


目の前で不機嫌そうに座って思案を始めなさるビュフェス様。

その姿を見るたびについつい甘やかしたくなってしまう。


白い生糸のような髪を無造作に払うと、透明なサラサラとした髪が薄い幕のように広がる。


強い意志を感じさせる紅い目。

真っ白できめ細やかな肌。

無愛想に横一文字に閉じられた唇は淡い桃色をしているが、頬や首も色彩は殆どない。

そのために紅い目はますます爛々と輝き、また瞳孔部分の血液のような深い暗さも相まって惹き込まれるのだ。


整った目鼻立ちも含めて、芸術的と言っていいほどで、ビュフェス様が今まで結婚していないのは美として完成しているその顔が人に恐怖すら与えるほどだからだろうと思ってしまうがな。


いや、他にも理由があるとすれば、


その低身長と、、、控えめな乳故であろうか。


数百年の時を生きるこのお方は未だに十を少し過ぎた程度の体つきのまま。

剣と馬をこよなく愛するビュフェス様は御身体が壮健頑強なことこの上なく、言ってしまえば鍛え上げられた筋肉質な身体である。


柔軟で細身でいらっしゃるから、女性としての魅力はそれはそれであるのだろうが、、、。


それでも今年で130歳となる儂からすれば、女性らしさよりも女の子らしさが際立ってしまう。


ナデナデなどをしたならば我が主はどのような反応をなさるのだろうか。


厳格なビュフェス様が甘やかされるのが好きというわけでもないであろう故にそのようなことをすることはないが。


そういえば儂がこの年になっても良い歳こいて、女遊びをしているのをビュフェス様はご存知なのか?


女遊びと言っても、父性に飢えた女を見つけては赤ん坊の格好をさせてあやしてやったり、抱きかかえて寝かしつけをしておるだけじゃが。


あまり聞かない関係性とは思うが、喜んで貰っておる故、儂もそれが嬉しくて何度もやっておる。


ビュフェス様はご聡明であらせられる。

きっと儂のこのような醜癖をご存知の上で使いこなしていらっしゃるのだろう。


我が主はやはり大人物。

きっと、フットウントにおいてもご活躍なさるに違いない。

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