嫌われオタクの俺が野球部マネージャーになったらもう遅い
少し復活したエアコン
第1話
人生って急に変わるかも知れない。
「よし、クリ・・・ぁぁぁぁあ」
それは超高難易度ゲームをクリアした瞬間、全くゲームと関係ない野球ボールが打ち込まれた瞬間
「ちょ、優!!大丈夫か!!ゆう!!」
「はぁ、はぁ、あのごめんなさい!!本当に、ごめんなさい、って優なの、え、ごめん。ごめん。本当にごめん!!」
とりあえず、やばい・・・ゲームじゃなくて、俺がシャットダウンしそう
どうしよう、彼女明らかに気にしてるよな。いや仕方ないよ。部活だし、野球だし・・・
よし、
「ぴ、ピコン」
______
目が覚めた。
ここは、病院か
「・・・目を覚ましたか、大丈夫ですか?異常はないですか?」
「え、あ、とりあえず体があまり動かないです」
「分かりました。」
とりあえず、死んでもおかしくなかった。
目が覚めてよかった。
________
「え、そうなんですか?」
なんと、ビックリ最初にお見舞いに来たのは、家族でも親友でもなく、俺にぶつけた彼女でなくその同じ部活の友達だった。
特に会話もしたこともなく、関わりもない・・・つか多分俺のこと嫌い、俺はオタクとして嫌われてるし
「そうなの、だからお願い。あなたから戻るように言って欲しい」
「・・・それはいいよ。さっき言った通り、春さんは悪いと思ってないし」
「・・・ありがとう!!優がこんなに良い人だなんて思ってなかった」
もう、俺からしたら話したこともないのに、見下していたことが判明したあなたは少し評価低いです。まぁ相手からするとオタクの評価なんて気持ち悪いだけだろうけど・・・
________
どうやら、俺は2ヶ月近く寝ていたらしい。
そして彼女は責任を感じて部活を辞めてしまったらしい。頑張っていたし、エースも期待されていたのに
だから、部活に戻るように俺から頼んで欲しいようだ。
「失礼します・・・」
そして春さんが部屋に入ってくる。
「どうぞ、」
「はい、」
クラスメイトなのに、めっちゃかしこまってるな
「あの、本当にごめんなさい」
「いいよ。許すよ」
「え、いいんですか?でも、2ヶ月も奪ってしまいましたし、それにこんな」
「いいよ。別に春さん悪いと思ってないし」
「いや、でも」
「野球なんだから、仕方ない。確かに俺はゲームしてた。それは関係なしに横から飛んできて、俺の注意不足とかではないと思う。」
「・・・はい。そう思います」
「でも、だからとはいえ、春さんが狙った訳じゃないし、そういう部活だし、許すよ」
「そんな、私は・・・」
彼女は一度黙る・・・そして
「私は、別に今回だけじゃないです。ずっとあなたことを馬鹿にしていました。」
「・・・」
「オタクで気持ち悪いと言ってました。それもあなたが聞こえる声で」
「・・・そうだね。」
「それなのに、許すなんて」
「いや、別にそのことは許すとは言ってないけど」
「・・・っ、そ、そうですよね」
「うん、その、俺が言うのはなんだけど、普通に良くないと思うよ」
「・・・そ、そうですよね。」
「うん」
「・・・ごめんなさい」
そして、彼女は下を見て泣いてしまった。
「私、私、本当にあなたが死んじゃうじゃないかって、人殺しになるんじゃないかって怖くて・・・それで、もし呪われたらって、もう色々考えて」
呪い前に、まぁ責任問題だな。
「・・・ごめんなさい。私もう野球辞めます。」
「辞めなくていいよ」
「・・・いえ、これは私なりの罰です。それにもう怖くて、野球なんか出来ないです」
それは確かに怖いかも・・・うーん、夏さんには悪いけど説得出来なそうだな・・・
そして、涙を流す。その手にはゴツゴツとした手と豆があった。
「・・・辞めれてないじゃん」
「え、」
「その手、素振りでもしたんじゃないの?」
「え、あ、あその・・・辛くて、そのボールは飛ばないから、もうずっとただ素振りをして」
「いやいや、野球辞めるなら、素振りも辞めないと」
「そ、そうですよね。ごめんなさい。これからは辞めます」
彼女の涙は、また強くなり苦しさが伝わる。
「・・・よし、決めた」
「え、決めたって何を?」
「俺、マネージャーなるは」
「え、あ、マネージャー??」
「そう、マネージャー、」
「マネージャーってまさか、うちの野球部に?」
「そう、」
「え、でもなんでそんな」
「・・・そりゃさぁ、俺も自分のことで他人の夢や、人生壊したくないのよ」
「いや、何を言って、そんな私のために」
「いや、自分の為!!やる決定!!そして春さんは野球部に、マネージャーの俺を甲子園?女子ってあるのかな?まぁ連れていってよ!全国に」
「いや、私たちはそんな強くないです。それに私は」
「やる、やると言ったらやる!!あーもう!!俺のこと馬鹿にしてたんでしょ!!いいさ俺だって、キモオタだって、スポーツに無関心な訳じゃないです!!毛嫌うやつは居るけど!!少なくても俺は全般オタクだよ!!」
「いやだから、あのオタクらしい早口で何を言ってるのか」
「あー、もうとりあえずよし、」
「え、あの誰に連絡してるんですか?」
「夏さん?」
「え、夏と連絡を?」
「そうだよ。さっきね。ビックリしたでしょ!オタクの俺に女子の連絡先なんてないと思ってたし」
「いや、そう思ってたけど!!あー」
「もしもし、夏さん。俺マネージャーする」
「ちょ、優!!本気なの!」
焦っている口調が戻ってる。
え、少しそれはと嫌な声で言われた。
そんな嫌がらないでも
「え、いやだから春を部活に戻す為だよ。」
「私を戻すためって、なら私やるからもうやるからいいよ」
「やる!!もう決めた!!明日学校に出せないけど、この状態ならでもやる」
「えー、もう、もう、もう。気持ち悪い」
「そうだよ!!それ本心だろう!!さっきまで反省してる振りをして」
「振りじゃない!!本気で!!本気で反省してたし、本気でもう野球も辞めようと思ってたのに」
「辞めれない、ほらほら、春さんが止めないと、キモいオタクの俺が野球部で暴れちゃうぞ・・・ほぼ動けないけどね」
「わかったよ、戻るよ」
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