第2話
ハラルドのツールは、トーナメントで劇的な役割を果たした。
ネットの組織によって、ハラルドの 見てホールの部分だけが運用され、ネットワークにからむ全てのトーナメントの状況が、繋がれていたのだ。
繋ぐとは、いつからかアングラ界のメインの楽しみになった人の行動ハックのことである。
行動ハックと言っても自己啓発といったようなものではない。ネットを自由にコントロールすることで、人の行動を変える20xx何から始まった遊びである。
例えばアドのアカウントを持っているものや、ナビゲーション生活24と言ったアプリの各アングラ界の悪戯好きが、ターゲットの情報を恣意的なものにすることで何か行動を起こす。
例えば性の情報を断続的に、ドーパミン刺激になる状況で流すことで、そのターゲットは、自発的にオーダー通りの行動を起こす。
ネットの住人は、積極的行動マーケティングにより出来たこの技法を、集団で行うことで飯うまリンチを起こすことを発見した。転機がおとずれたのはある論文が発表された時からだった。脳の機能は
電気信号で動くため、外部の記号とはホメオパシスを果たす。ネットの形を模した電気信号を発する組織を体内に入れると、ネットの情報を潜在意識として使うことができる。信心の科学分析から始まったこの技法は電気信号を発する細胞を植え付けられたある特殊な状況にある人間にのみ聞くと考えられていた。
しかし、転機が訪れる。
それは政府主導で才能とされ、ネットに親和性を全面的にもつ新人類の誕生と言宣されていたが、同時にネットに細工を施すとそれを、行動に起こす事実が解明されマーケティングで大いに活用された。アングラ界では自由な意思を操り、ターゲットを観察する遊びができた。
アカウントを明かさない界隈の小さいつながりの、出会いや、暴発や風俗履歴をgpsで観察する遊びであったが、複数人を巻き込むことで小さなマーケティング行為であったはずのものが、大きな祭りを起こす。
無かったことになっているが、複数の破滅や劇的なことが、過去に何度も起きている。
いつしかアングラ界ではその遊びに関わるものを破滅させる倫理と、破滅遊びが混然となり不思議な安定した状態を作り上げた。
ハラルドのツールはターゲットの共有に使われていた。そしてハラルドが、トーナメント出場を決めた時、ある種の熱狂した祭りが起こった。
いくつもの破滅を起こしたアングラ界の重鎮が、顔を割って出てくる。
トーナメントはハラルドの独壇場に見せかけた集団の作為の塊であった。
しかし実際にはハラルドの自意識が激しい状況に破壊されるすがたがTBから残酷に放映され、彼はその日より、アングラ界の重鎮になった。
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