《急成長》スキルから始まる異世界人の《技能樹(スキルツリー)》が何かおかしいんじゃが!?

天都ダム

プロローグ イツキ・アカツキ、現れる。

《焼肉食べ放題》

 ウサッチィ王国南端、【ランペット宝樹迷宮街】。


 アンゼリセ・ランペットは、百年以上に渡りこの街の人類を見守ってきた《迷宮の神》である。

 何百、何千という人の子らの《技能樹スキルツリー》を芽吹かせ、育ててきた経験と実績がある。


 だというのに、そんな彼女の前に現れた、見知らぬ青年の背に、確かに現れたスキルを、アンゼリセは知らなかった。


 見たことも聞いたことも、熟練すれば何を得られるかも具体的な効果もわからない。


「背中あっちぃ……え、終わりっすか? アンさん、俺のスキルって何なんですか?」


 問われ、アンゼリセは返す言葉を持たなかった。


「…………えーっとぉ…………」


・第一階梯スキル《焼肉食べ放題》


 なあにこれぇ。

 アンゼリセがこの少年と出会ったのは、おおよそ一時間程前の話だった。


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