マリオネット

暗黒神ゼブラ

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俺は坂間忘真(さかまぼうま)

俺はよく確認を忘れてしまうことが多く仕事でもよく怒られる。

今日も怒られてしまった。

理由はタイムカードを押すのを忘れたからだ。

私には昨日の記憶も曖昧だから……というかほとんど残ってないから押したかどうかを聞かれてもどちらとも答えられないんだよなぁ

俺には『軽度認知障害』という障害っていうか……まあ簡単に言うと認知症一歩手前だ。

軽度認知障害はまだ治る可能性があると病院の先生に言われた。

希望はあると……そう言われても日に日に忘れているものが増えている気がするし……もう俺の記憶は空っぽに近い。

しかも俺が軽度認知障害と病院で言われたのは高校生三年生の時

診察に行ったきっかけは『な〜んか最近よく忘れるなぁ病院行ったりしたら理由分かったりするかな?』と言う軽〜い気持ちで病院に行ったんだ

検査はまず認知度測定的なことをした

動物とかの名前を何個か言われ、後からそれを言えるかどうかみたいなことをやった後に脳波を測ったりした。

今俺は認知症と健常者の狭間にいる。

昔出来てたことがなかなか出来ないし忘れたくないものも忘れてしまう……嫌な記憶だとしてもあるだけいいと思ってしまう……だってどんな記憶かを思い出したくても思い出せず苦しみ続けるよりはいい。

最近なんて家族の名前も間違うほどだ

まだ忘れてないだけましなんだけど……でも本当は昔みたいにいろいろ覚えていたかったんだけど…………

ピー

「先生、先生救急で運ばれてきた患者さまが亡くなりました!! しかしこの患者さま亡くなる前に走馬灯のようなものを見ています……本当にあったんですね、走馬灯」

「今はそれどころじゃない!! この患者……人間じゃない…………」

「……はぁ、おはよう」

そう俺は人間であって人間じゃない……まあどういうことかって言うと、さっき俺は本当に死んだ。

だけど俺には心臓のストックがあと七個ある。

博士によって俺はいろんな人間の身体をつぎはぎ作られた人形になった。

博士は私のことを助けるために……俺は……僕は……違う、違う!! 俺でも僕でもない私は私だ!!

私の名前は……荒巻新名(あらまきにいな)、この身体はいろんな人を素材に使われている。

死んだ人間じゃなく生きた人間を……博士が言うには新鮮さが強ければ結合率が高いそうだ

「先生、この人をどうされますか?……死なないだったら……使っちゃいます? あの実験に」

「そうするか、あの実験が成功すればあの未承認薬が人間に使える薬かどうかを世界に知らしめることが出来る。……まあ危ない薬ってことを教えることになるかも知れないが……」

それから私は捕まってしまった。

私の身体は別に強いわけじゃない……本当に弱いだって私この身体の使い方知らないからね!!

坂間なら知ってるかもしれないけど……でもごめんね明那(あきな)、明那が『誰かが死ななきゃいけないんだったら私が代わりに死ぬよ……みんな元気でな……博士に……頼んでみて、蘇る方法がないかどうか……死にたくない……でもみんなが死ぬのはもっといやだから……バイバイ』そう言って明那はさっき死んだ。

もともとは明那を入れて九人、そして明那が死んで本体である私の心臓とストックの七個の心臓を合わせて私のなかには八人いる

……そして私たちは未承認薬の実験の手伝いをし、その薬がどれだけ危険かを世界に知らしめた。

私たちは全員死んだ……あとは私だけになった時に逃げようとしたけど……逃げきれず私は射殺された。

ちなみに博士はとっくに死んでいたらしい。

私が知っている博士は博士のクローンだったそうだ。

そんな技術があるなら、私たちのクローンも作ってもらっておけばよかったな……なんでこんな時に……愛してました博士

「ふっはっははっは……本当にいい人形だったなぁ、次はどんなつぎはぎ人間を作ろうかなぁ?……次のやつはもっと踊ってくれよぉ!!」


おしまい

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