Aさんのいる薬局

くさぶえ 舞子

Aさんのいる薬局


 残暑厳しく、スマホの画面には熱中症警戒アラートの文字が浮かんでいる。

たしか、去年も暑かったけど、今年ほどだったかな?と思いかえしてみても思いだせない。


 そんな今年の夏というか今日八月二十二日、馴染みの薬局に行く最後のチャンスだったので(明日店じまいするので)顔を出して行こうと思っていた。(詳しくは

馴染みの店は薬局をご覧ください)


 ところが、病院の会計が中々進まない。新しく登録した薬局は、スマホで薬の指事書をカメラで撮って送れという。今までは、病院のFAXで送っていたけど、今度行くところはそういうやり方らしい。 


 実は先月病院にきたときにアプリ登録をしていた。色々と内容が細かくて嫌になった。家族のことまで登録しろと書いてあったのでなんでかわからないので登録しなかった。

 後日、看護師さんにきいてみたら、

「遺伝性疾患とかのためにきいてるんじゃないですかね?」

 と、納得のいく回答が得られた。 

なるほど。


 しかし、病院は今日も大繁盛!会計で一時間待つことになった。その間に新しい薬局から薬出来てますメールが届いていた。なんとも早い!と、思っていた。


 会計が終わり、病院を出て五十歩、百歩くらいのところにある新しい薬局に入った。番号札を入って来てすぐのところにいる案内係のお姉さんから受け取った。今日は薬が一つ代わっている。そのことで、また少し待たされる事になったが、涼しかったので、まぁ、良かった。


 その薬局を出て病院の敷地から出て前の馴染みの薬局へ向かった。中をみてもAさんが見当たらなかったので、他の人に声をかけた。

「今日、Aさんはお休みなんですよ~」

 と、返ってきた。残念!

「お別れを言いに来たんですよ〜。また、新しい薬局とか入ってらっしゃらないてすかね〜?」

 と、聞くと

「あぁ~!病院出て、すぐの新しい薬局に行かれるそうですよ〜」

 と、あっけなく聞けた。たまらず

「わ、わたしもそこの薬局に行くことにしたんです!」

 と、慌てて興奮した。

「じゃ、また、会えますね。うふふふ」

 と、聞けて嬉しかった。また、Aさんのいる薬局に行けることが嬉しかったのだ。私のお薬人生はまだまだ続くのだ。

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