忘れていたもの
ちょうど現実では夕飯時なようで、宙に浮いた画面から、現実世界で家族全員でご飯を食べている様子がみれた。なにか楽しい話をしている。他の画面からも、子供の笑い声が聞こえる。気づくと、奈緒は無意識に涙を流していた。とっさに涙を拭いたが、止まらなかった。まだボロボロと出てくる。奈緒は気づいた。自分が孤独感や虚無感を覚えていたのはデジタル世界には心のふれあいがなかったのだ。そして、奈緒の本能が心の温かさを求めていたのだ。奈緒は今までそれに気づけなかった。いや、忘れていたのだ。仲の良い友達や家族がいることが他の何よりもどんなにすごいことか、どんなに幸せなことなのか忘れていたのだ。
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