変化の兆し

ある日、いつものように自撮りをして、投稿した。今日もたくさんの通知が来ると思って、期待を膨らませていた。しかし、いつもとは違った反応が返ってきた。「なんか怖い」「目が死んでる」等といったコメントが相次いだ。

「え、なんで?」

戸惑いを隠せなかった。自分はきれいだと思って、投稿したのに否定的なコメントが多かった。そして、次第にその言葉が気になってくる。奈緒は鏡で自分を見てみることにした。

「そんな…」

鏡に写った自分の顔を見て奈緒は絶望した。自分の顔はどこか青白く、目は虚ろに見えたのだ。

「消さなきゃ。」

そう思い、加工アプリで何度もこの違和感を直そうと試みた。しかし、この違和感は結局、消えなかった。奈緒はどこか自分の心が壊れてしまっているのではないか、と漠然な不安を抱き始めていた。

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