デスワームを撃退した一馬は、次なるステップへと進むために迅速に行動を開始しました。まず、戦いによってアルカリ性に傾いてしまった土壌を中和する必要がありました。彼は再び魔法系ベンチャー企業の技術を借り、特殊な中和剤を使って土壌を元の状態に戻す作業を進めました。この作業は大規模かつ複雑なものであり、砂漠全域にわたって均一に中和剤を散布するためにエアライダーや地上部隊が総動員されました。

土壌が徐々に中和され、酸性度が安定してくると、一馬は次に緑地化事業を再開する計画に取り掛かりました。今度はさらに強化された方法で、砂漠の環境に耐えられる植物の種を撒き、育成を促進するための栄養液を散布しました。これによって、かつて一度は緑に覆われた牧草地が再び復活しつつありました。

そして、待ちに待った瞬間が訪れました。再び放牧された家畜たちが、慎重に牧草地帯を歩き始めたのです。牛や羊、ヤギや鶏たちは、豊かな牧草を食べ、広々とした草原を自由に駆け巡りました。その光景はまるで新たな命が吹き込まれたかのように、どこか神聖さを感じさせるものでした。

一馬はその風景を静かに見つめ、胸にこみ上げる感動を味わいました。彼が目指していた新たな楽園が、ようやく形になり始めたのです。この牧草地帯での新しいスローライフが、今度こそ実現できるのだという確信が、彼の心に強く刻まれました。