第128話 夢の続き

家に帰った一馬は、部屋に入るとそのまま椅子に座り、深いため息をつきました。ふと周囲を見回し、最近の出来事を思い返してみると、彼の頭の中にある考えが急に浮かび上がりました。


「あれ?俺って、農場を経営しに行くはずだったんだよな…」


彼はしばらくの間、手の中にあったペンを回しながら、今までの行動を振り返りました。本来の目的は農業だったはずなのに、いつの間にか町を救い、壮大な改革まで成し遂げてしまった自分に気づいて、少し苦笑しました。


「なんで町ごととんでもない改革をやってるんだ…?」


その疑問に笑いながらも、一馬は再び真剣な表情に戻りました。今度こそ、本来の目的である農場経営を実現するために、新たな計画を立てることを決意しました。そして、目をつけたのは同盟国の広大な砂漠地帯でした。砂漠を緑地化するという、まさに彼らしい壮大な夢を抱き、彼はすぐに行動を開始しました。


まずは、その砂漠地帯を治めている国の王に謁見することにしました。この国の名は「カラハリス王国」、その王は「サリーム・アル・マリク」という名で、その知恵と寛容さで知られる人物でした。一馬のこれまでの功績はすでに広く知られており、サリーム王も彼の来訪を快く受け入れました。


王宮での謁見の際、一馬は敬意を持ってサリーム王に感謝の意を述べました。彼の熱意と壮大なビジョンに共感したサリーム王は、その砂漠地帯を格安で貸し出すことを快諾しました。これにより、一馬は広大な土地を手に入れ、砂漠の緑地化という新たな挑戦に乗り出すことができるようになったのです。


「これで、今度こそ本来の目的を果たすんだ…」


そうつぶやきながら、一馬は早速砂漠緑化の計画を練り始めました。かつてない挑戦に胸を躍らせつつ、一馬は再び自分の足で新たな道を切り開く準備を進めていくのでした。

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