第44話 大工

一馬は朝の農場の手入れをナビィに任せ、今日は町に出て冒険者ギルドで日当の仕事を探すことにしました。農場の維持にはやはり資金が必要であり、今のところ大きな仕事がないため、町でできる仕事を見つけるのが一番効率的です。


ギルドに到着すると、一馬は掲示板を見て、今日の仕事の中から「大工仕事」を選びました。報酬は日当制で、今の一馬にはちょうどいい仕事です。


依頼場所は町の外れにある一軒の古い家。依頼主は家の補修を希望しており、主に屋根の修理や壁の補強が必要です。現場に到着すると、一馬はすぐに仕事に取り掛かりました。大工道具はギルドから借りたもので、少し使い慣れていない感はありましたが、なんとか作業を進めていきます。


一馬はまず、屋根の老朽化した部分を取り除き、新しい木材を使って補修を行いました。高所作業に少し緊張しながらも、一歩一歩慎重に進めます。次に壁の補強に取り掛かります。こちらは、しっかりとした木材を使い、壁が強風に耐えられるように補強しました。


作業が終わる頃には夕方になり、一馬は汗だくでしたが、仕事の達成感で満たされていました。依頼主から感謝の言葉を受け取り、ギルドに戻って報酬を受け取ると、再び農場へと帰ります。


一馬が農場に戻ると、ナビィと猫が温かく迎えてくれました。ナビィが笑顔で「おかえりなさい、ちゃんとお仕事できた?」と尋ね、一馬は満足げに頷きます。猫も一馬の足元にすり寄り、まるで彼を労うかのように甘えました。


その夜、一馬は満足感とともに休息を取り、また明日も頑張ろうと心に誓いました。

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