第20話 何げない一日

一馬はいつものように農作業に取り掛かっていました。ラディッシュやレタス、ハーブが順調に成長しているのを見て、自然と笑みがこぼれます。ナビィも一馬のそばでチョコチョコと動き回り、彼の作業を少し手伝っています。特にハーブの手入れや、虫除けのネットを設置する際に、ナビィは魔法で手早く作業を進め、一馬の手間を減らしてくれました。


「ナビィ、本当に助かるよ。」と、一馬は感謝の言葉を口にします。


「お役に立てて嬉しいわ、一馬!」ナビィは楽しそうに応え、その小さな翼をぱたぱたと動かして宙を舞います。


その時、農場の隅から一匹の猫が近寄ってきました。猫は一馬の足元に擦り寄り、甘えるような声を上げます。


「お前もかまってほしいのか?」一馬は笑いながら猫の頭を優しく撫でました。猫は心地よさそうに目を細め、さらに一馬のそばにぴったりと寄り添います。


一馬は片手で猫を撫でながら、もう片手で土を整えたり、雑草を引き抜いたりして農作業を続けました。猫はその間も一馬のそばを離れず、時折ナビィにじゃれつこうとしますが、ナビィもそれを楽しんでいるようで、二人と一匹の和やかな時間が流れていきます。

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