第17話 スローライフ
一馬は畑での作業を終えると、少し手が空いた時間を利用して、薪を作り、それを炭にする作業に取り掛かります。手慣れた動作で木を切り、薪を積み上げると、炭焼き窯に丁寧にセットしていきます。火をつけると、時間をかけてゆっくりと木が炭に変わっていくのを見守ります。
その間、彼は自分の仕事が終わるまでじっと待つこともなく、次の作業に取り掛かります。次に売り物の炭が出来上がったら、また街へ持っていく準備をしながら、彼はふと自分の現状を考えました。今の生活は、農協や市場を通さず、自分で作ったものを自分の価格で直接売ることができる。誰かに買い叩かれることもなく、自分の労働がそのまま報われる。
「これが自分が目指していたスローライフなのかもしれないな…」一馬はそう思いながら、焚き火の暖かさと煙の香りに包まれて、静かな満足感を感じていました。
この異世界での生活は、自分のペースで進められる。誰にも急かされることなく、自分の手で土地を耕し、作物を育て、炭を作り、それを売る。そして得た収入で次の必要な道具や物を買い揃えていく。この循環が、自分がずっと求めていたシンプルで自立した生活であることを一馬は実感していました。
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