第15話 簡易センサーとも言う
一馬は市場を歩きながら、今育てているラディッシュ、レタス、ハーブの栽培に役立ちそうな道具を探していた。店先に並んだ農具や種、肥料が目に入るたびに、彼は少しずつ足を止めて品定めをする。
一馬は市場を歩き回り、さまざまな道具や商品を見て回っていた。ふと、見慣れない機器が目に入る。小さな木製の棚に並べられていたのは、見た目にはシンプルな円筒形の道具だったが、何か特別な機能がありそうだった。
「これは……もしかして、土壌濃度計!?」一馬は思わず声に出して驚いた。異世界とはいえ、まさかこんな先進的な道具が存在するとは思っていなかった。
店主がニヤリと笑い、「お目が高いね、旦那。これがあれば土壌の水分や栄養の状態を簡単に測れるんだ。農業をやるなら、持っていて損はない代物さ」と説明する。
「確かに、これがあれば作物の管理がもっと楽になる……」一馬はそう思いながらも、内心では中世風のこの世界に土壌濃度計があることに強い違和感を覚えていた。それでも、使える道具は使わない手はない。
「よし、これを一つもらおう」と、彼は少し戸惑いながらも決断し、店主に代金を支払った。
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