第9話 女神の施し

一馬がナビィと一緒に畑仕事を終えた後、ひと息つこうとしていると、ふと足元に何かが目に留まりました。それは大きな麻袋が積まれており、開けてみると、中には白く輝くお米がぎっしりと詰まっていました。


「これ…まさか、女神が置いていったのか?」


ナビィがふわりと飛び上がり、笑顔で頷きます。「そうだよ!これは女神様からの贈り物。一馬がこの世界で生活するために、100キロ分のお米を置いていってくれたんだよ。これでしばらくの間、食事には困らないはず!」


「米があれば、最低限の食事は何とかなるな…助かるよ、女神様。」


さらに、その隣には小さな木箱があり、中を開けると数十本の100円ライターが並んでいました。


「これも女神様からだよ。一馬が火を使うときに困らないように、たくさんのライターを置いていってくれたんだ。もしオイルが空になって使えなくなったら、ライターは自動的に女神様が回収してくれるから、新しいものを使えばいいよ。」


一馬はライターを手に取り、その軽さを感じながら感謝の気持ちを込めて頷きました。「こんなに手厚くサポートしてもらえるなんて、本当にありがたいな。」


ナビィはにっこりと微笑みながら、「これで一馬、どんなに寒い夜でも暖かく過ごせるね!」と明るく言った後、ふと疑問を口にしました。「そういえば私、火の魔法を使えるのにどうしてライターなんか持ってきてくれたんだろうね?」


一馬は少し考えた後、木箱の中に手紙があるのを見つけました。「何々、手紙が付いてるぞ。このライターは全てまだ使えるのに道端に落ちていたり、忘れ去られてしまったものです。沢山ありますので遠慮なく使ってくださいね。だってさ」


ナビィはくすっと笑って、「なるほどね、これで誰かの役に立つことができるなら、嬉しいよね!」と言いました。一馬も微笑みながら、そのライターを大切に使うことを心に決めました。

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