異世界?よし、ハーレムを作るには振動魔法が必要だ

ペッパー

第1話 転生

「ここは‥どこだ⁇」


 あたりを見回すと白い光の世界


「申し訳ございませんでした!!」

「えっ⁉︎」


 声のした方に目をやると綺麗な⁇いや、どこか神秘的な女性が土下座をしている。


「あの〜、ここはどこですか?」

「その‥神様の住む世界で、あなたはこちらの手違いで‥私が死なせてしまいました。ほんっっとうに申し訳ございません!!」


 土下座をする女神?をなんとか起こし、詳しく説明を聞く。

 要するにこの女神様が遊び半分で地球に雷を落としてたら俺に直撃、俺、即死ということらしい。


「そうですか‥まぁ仕方ないですね」

「あの‥怒ってないんですか?」

「怒って生き返るなら怒りますけど…無駄なら受け入れるしかないですね。怒るだけ無駄かなって」

「その‥いや、受け入れてくれるなら話は早いです。元の世界に生き返らせることはできませんが、違う世界に転生させてもらいます」


 まさか自分が異世界に行けるとは。

ある意味当たり?を引いたのか?

深く考えても仕方ない。女神様に色々と説明を聞く。


 これから行く世界は剣と魔法、魔物のいる世界。レベルの概念はあるが、各種ステータスの数値やスキルなどは無いみたい。

レベルはあくまでも目安なのだとか。


 全ての人が魔力を持っていて、練習次第では色んな属性の魔法が使える。

 スキルとか少し期待してたが、練習次第で自由な魔法が使えるのは面白いな。


「女神様、質問いいですか?」

「なんでしょう?」

「今から行く世界に、冒険者ギルド?みたいなのはあるのですか?」

「はい。冒険者ギルドに商業ギルドがあります。日本でよく描かれる異世界系の物語の世界とほぼ一緒だと思って下さい。色んな種族が居ますが、人族の魂であるあなたは人族にしか転生させられません。すいません」


 なるほど。人族に転生できると分かってるだけありがたい。少し楽しみになってきたな。


「転生ということは、どこかの家庭の子供として産まれるということですよね?できれば貴族以外の家庭が嬉しいです。貴族とかよく分からないですし、せっかくなので、冒険者として世界を見て周れたらと思います」

「それくらいなら大丈夫ですよ。そうですね〜、元冒険者夫婦で食堂を営んでる家庭とかどうですか?」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

「では、次の人生を楽しめるように、丈夫な肉体と成長補正が付く女神の加護を授けます。私からのお詫びの印です。あっちの世界を楽しんで下さいね」


 そして俺の意識が遠のいていく。



 目を覚ますと知らない部屋に知らない女性と男性。無事に転生できたようだな。




 〜5年後〜


 転生した俺の名前はロドニー。

キングトン王国の端っこにある小さな港町、ハージノ町で女神様の言ってた通り、元冒険者の両親が食堂を経営している家庭に転生。


 転生してすぐは魔力を感じることを頑張り、魔力を感じることができたら今度は魔力を動かす。いわゆる魔力操作というのをずっとやっていた。


 両親がやっている食堂の2階が生活スペースになっていて、俺の寝る部屋は下の客の声がうるさく、どうにか無音にできないかとイメージして魔力を外に出したら成功。

 サイレント魔法とでも言うのか、魔法の使い方を覚えてからは、魔力操作と、魔力を使いきって寝るという先輩転生者の真似をしながら過ごした。

 魔力数値は見えないが、魔力が増えることを願うばかりだ。


 ちなみにこのサイレント魔法、夜な夜な聞こえてくる両親の営みの音も聞こえなくなるからすごく重宝した。

 一応自分の両親になるのだが、前世の記憶がある俺からしたらなんとも言えない感情になるんだよな…


「おいロドニー、ちょっと手伝ってくれ」

「は〜い。父さん」

「おぉ来たか。ここなんだけどさっき来た客が料理をこぼしてね。よろしく」

「うん。まかせて」


 俺が4才のころ、やることがなく暇だったので、お店の掃除でも手伝おうと試しにキレイになれと念じて魔法を使ってみた。

 結果、俺の魔法を使ったとこだけめっちゃ綺麗になってしまい、両親に俺が魔法を使えるということがバレてしまった。


 父は驚き、母はなぜか爆笑していた。

それから魔法のコントロール練習も兼ねてお店の掃除などを手伝うことに。

 魔力を込めすぎた部分だけが綺麗になりすぎて、結局店全部にクリーン魔法を使うハメになったこともあったが、今はそんな失敗はしない。


 ちなみに、父のロイルと母のマギーは冒険者時代、同じパーティーで活動。

 父は魔法使い兼料理人としてパーティーを裏から支え、母はゴリゴリの戦士で前衛をしていたが、怪我が原因で引退。

 引退後2人で王都からハージノ町に移住し、食堂を経営し始めたらしい。


「父さん、終わったよー」

「あぁ。ありがとう。ついでに、母さんの様子を見てきてくれるか?」

「まかせて〜」


 今、母さんは2人目を妊娠中。そろそろ産まれてもおかしくない時期に入っており、父さんと俺はいつ産まれるのかとドキドキしている。


「母さん、調子どう?」

「ロドニー。今のところ大丈夫だけど、お腹の子も早く外に出たがってるのか少し暴れてるわ」

「そうなの⁉︎大丈夫?」

「大丈夫。それよりお店の手伝いしてくれて助かるわ。さすがお兄ちゃんね」


 お兄ちゃんか…中身はおっさんなんだが、家族が増えることは嬉しいことだな。

 前世では俺は末っ子だったから自分が兄になるというのは少し戸惑いがある。


「何かあったら呼んでね〜」


 そういって母さんの部屋にクリーン魔法をかけてから部屋を出て、お店の手伝いに戻る。

 そんなに大きいお店ではないが、なかなか繁盛しているようで、俺がお店の手伝いができると分かってから子作りに励んだようだ。

この世界にも避妊はあるのだな…


 その日の夜、無事に出産。女の子だった。

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