第28話エジプト
トルコ共和国。
その国へミサが人知れずに訪れた。
突然の訪問で相手も驚く・・・しかしトルコ語で書かれた総理大臣の親書を手渡す・・・
「女が日本の政治に係わっているのか・・・」
「いえ!私自身が特別だからです・・・そんな女は、お嫌いですか・・・」
「まあ、日本人だから許そう・・・」
ああ、トルコのエルトゥールル号遭難事件のことか・・・
日本で遭難して助けられた。
日本では有名でないがトルコでは、多くの人が知っている。
「ヨーロッパと日本の戦争に興味がありませんか、色々な意味でヨーロッパに苦しめられたトルコとして・・・」
「何が言いたい」
「戦争に参加しろとは言いません。日本に脅されて、やむを得ず協力したと嘘をヨーロッパに言えばいいのです」
「そんな協力だけでいいのか・・・」
「それだけで・・・」
あああ、言葉を選んでるから返事も素っ気無いわ。
熱心なイスラム教徒なら、私を見て顔を
信用できそうね・・・
ここでも人気の携帯の代理店を任せる条件で、協力を結んだ。
今のトルコでも数台しか入ってない。
富裕層なら欲しい品だ。
エジプトには、前もって話して了承を得ている。
計画を打ち明けると反対にお願いされた。
何度も何度も日本式の御辞儀をされて困る程に・・・
アラビア海、アデン湾、紅海、スエズ湾、スエズ運河を通って日本艦隊が地中海へ。
これが今回の目的でもあって、外交でもあるらしい。
問題なのがスエズ運河。
スエズ運河は、エジプトの土地でエジプトが管理するハズの運河であった。
全長164キロメートル、深さ8メートル。
運河はエジプト政府の所有物であるが、フランスやイギリスを中心としたヨーロッパの株主が運河を運営するコンセッション会社にして所有。
金で運河を作って政治圧力で運河を支配。
なのでエジプトが口出しなど出来ない。
そのスエズ運河を支配しているフランスとイギリスから運河を奪い取る作戦だ。
成功して戦争が終わればエジプトへ返す約束も済んだ。
ヨーロッパ諸国は、ミサイルでの長距離攻撃になぜか無反応なままだ。
爆弾を仕掛けて爆発させた噂まであった。
そんなのあり得ない・・・嫌、出来るな・・・
ミサイルを認めるのが怖いのかも・・・
なので日本艦隊を見せてミサイル攻撃をするしかない。
本当なら日本艦隊を転送して攻めたら楽でいい作戦なのに・・・
それだと完全なオーパーツになって、色々問題になるってAIから警告された。
「突然に日本艦隊が地中海を航海してたら、可笑しいですよね!」
アンドロイドのアキからも小言のようにネチネチ言われたよ。
だから回りくどい作戦をとることになった。
作戦名『回って回って回る』
空母『
「戦闘ヘリ、001から離陸許可!」
戦闘ヘリ1機が飛ぶと、次々に戦闘ヘリが飛び立つ。
空母『富士』。
「輸送ヘリ、001から離陸許可!」
輸送ヘリ1機が飛ぶと、次々に輸送ヘリが飛び立つ。
戦闘ヘリが低空で飛び続ける。
コースは、AIが指示するコースを・・・
『高度100メートルに上昇、2秒後攻撃開始』
AIの冷めた声が・・・機内に響く。
言われるまま高度を100メートルに上げて、2秒後にミサイルを発射。
ミサイルは、真っ直ぐに飛んで高射砲を爆破した。
『右に20度、ミサイル攻撃開始』
戦闘ヘリは右に20度にしてミサイルを発射。
真っ直ぐに飛んで高射砲を爆破した。
戦闘ヘリによって全ての高射砲が破壊された。
ポイント0250に着陸した輸送ヘリ。
「物陰に数人が隠れているぞ!速く降りて始末しろ!」
ドアが開いて兵士が飛び降りる。
「抵抗する者は、必ず撃ち殺せ!」
1人の兵士は、抵抗するなら絶対に殺してやると、死んだ姉に誓った。
物陰から飛び出す敵の兵士の手には、銃が見えた。
銃を持っている時点でアウトだ。
「ダダダダ・・・・・・」と撃ち殺していた。
腹に4発も食らって、その場で倒れる。
物陰にも数人が倒れている。
「琢磨!行くぞ!」
「・・・・・・」初めて殺したが罪悪感はなかった。
それ程に姉の死が悲惨だった。
多くの大人達が水を掛けても消えなかった。
姉は苦しみながら死んだ。
違う輸送ヘリは、上空で止まったままロープをスルスルと兵士が降下している。
1人が近くで銃を構えて、周りを警戒している。
そして全員が降りたことを確認して走りだす。
銃声の音が鳴り響く。
現場に到着した時には、戦闘は終わっていた。
「次のポイントへ行くぞ!」
又も走りだす。
「ポイント0021を制圧完了」
それが最後のポイントだった。
「君達はエジプト人か・・・」
「はい、政府からも聞いてます」
「なら日本艦隊が通るのを協力してくれ」
「是非、させてください」
携帯を使って「スエズ運河を占領しました」
「ご苦労!これで日本艦隊が地中海で暴れられる」
「ギリシャ、イタリア、フランス、スペイン・・・この順が戦いの場になるだろう」
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