こっくりさんから始まる異世界冒険記〜〜異世界こっくりさんと紡ぐ成長譚〜〜
かふぇおれ
家族との時間編
第1話配信者の鑑?
「はい、みなさんこんばんわ〜〜、今日はね、好評企画の心スポ巡り第10弾の記念会ということで、気合いを入れてやっていこうと思います。」
そう、俺は配信者をやっているアラサーだ。
俺自身は苦手な心霊スポットなのだが、視聴者に好評ということで心スポ企画を撮影するために、地元民には有名だという高原の大木を目掛けてやってきた。
「心スポ企画第10弾は、栃木県某所にある大木の前で降霊術をした後に、逃げずに大木を10周するまで帰れませんにチャレンジしていきますので、もし何か発見があったらコメント欄にタイムスタンプと事象を書き込んでくださいっ。」
「ここね、山の上というか高原だから夏なのに気温かなり低くて昼間の暑さが嘘みたいですよ。」
5分程撮影をしながら歩いていると、ひらけた原っぱの先に大木が現れた。俺は恐る恐るカメラを構えながらライトで先を照らし、大木に近づくのだった。
「よし、とりあえずここが目的の大木みたいなので、降霊術をした後に大木を10周してエンディングを撮って終了という感じでやっていきます。」
「それにしても、すっげー大木ですよ〜しかもね、ここに着いた瞬間から風がいきなり吹き始めて雰囲気はかなりやばいです。」
大木に到着して辺りを見渡しながら実況を続ける、その時はまだ危険が迫ってるとも知らずに……。
「今日やっていく降霊術は、初心にかえってコックリさんをやって何個か質問をして終わりという形を取ります。」
コックリさん用の紙を広げて準備を進めていると、木が騒がしくなり始めた。
パチパチパチ、ザワザワ、、、パチッ
それに呼応するかのように、急な雨が降り始める。
「今ね、コックリさんの準備終わったんですけど、準備始めた途端に周りがざわつきはじめて雨まで降ってきちゃったんで、なるべく急いで進めていきますね。」
雨が強くならないうちにコックリさんを終わらせたい俺は、急いで降霊術に取り掛かるがその行動に反して、雨は強さを少しづつではあるが確実に増している。
「ではいきます。」
「コックリさん、コックリさん、いらっしゃいましたら…はい…へお願いします。」
五円玉が少しづつ動き出す。
ズズズズと、はいへ動く五円玉を見て俺は、少しづつ震え出す。
「見えてますっ?見えますよねっ?確実にはいに五円玉が動きました。ここからは指を離せないので慎重に行きますっ。」
興奮と緊張で早まる鼓動で周りの情報が遮断されていた俺は、雨が土砂降りになるのも気にせずコックリさんを続ける。
そんな中、空はどんどんと荒れていき雷も鳴り出していた。
「次の質問行きましょうか。」
「ここで、自ら命を絶ってしまった方の霊ですか?」
五円玉は、はいから動く気配がない。
「これはそうだってことでしょうか、次の質問行ってみます。」
「ここが好きですか?」
次はズズズズと五円玉が、いいえに向かって動き出した。
「ここは好きではないようですね……」
「ここにいると俺は危険ですか?」
ズズズズと五円玉が動き出した時だった。
ビリビリっと雨に濡れた紙が摩擦で破れてしまったようだ。
「これは……どうすればいいと思います?続行は不可能ですけど、終了もできませんよね……。」
その時、真っ暗だった辺りが強烈な光と轟音に包まれた。
ビカビカッ
ドッゴッーン
それと同時に俺はその場に焦げた匂いと、煙を少し上げながら倒れ込んだ。
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