第21話 反撃
「アグネス!?そんな……どうして……」
ソーニャが驚いているようだ。そういえば、四天王のアンチだったっけ。
「フフフ。マルグリットは外出中でして、あたしが代わりをつとめさせてもらいます」
アグネスはまた一礼した。
「おい」
柴田が怒りに満ちた声で言った。アグネスが顔を上げる。
「危ないじゃないか!」
「!?」
アグネスは正論を言われるとは思っていなかったのか、混乱しているようだ。
「登場演出で爆薬なんか使うなよ」
「これは爆薬じゃなくて、魔法なんだけ……」
「言い訳をするな!」
柴田は怒っていた。さっき自分の顔が「トラウマになりそう」というようなことを言われたからだ。
「お前の見た目だって……フーッ、フーッ、人のこと言えないだろう」
(ダサい恰好をしているくせに)
「……」
アグネスは急に黙り込んだ。目に涙を浮かべている。
「ごしゅ……じんさま……」
ソーニャが耐えかねたのか、フォローを入れようとしている。
「……じゃなかったのかよ……」
「?」
「人類の敵じゃ、なかったのかよ!あいつは、あいつらは!何でお前が味方するんだ!」
「……」
マリアも無言で固まっている。
「お前らは……フーッ、フーッ、いつもそうだ……」
「あのさ……」
アグネスが切り出す。
「アハハ……あたしが悪かったよ……でも、そんな風に言わなくてもいいじゃないか……」
「フーッ、いいか……」
柴田は気を取り直して言った。
「俺たちは、世界樹の実を探しに来たんだ。……邪魔を、するな。」
アグネスは何かを言いかけて、結局言葉にならずに、トボトボとどこかへ消えてしまった。
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