幼馴染達はみんな取られて俺から去っていった。

少し復活したエアコン

第1話

 人口が少ない街だった。


 俺達の学校は人口も少なくて、この学校では男は俺1人だった。


 おかげで、俺は上下関係なく女の子から特に大切にしてくれた。


 中2になったとき、俺は隣の家で同年代の春と付き合うことになった。


 最初はすごく楽しくて、幸せな毎日だった。


 けど、急にこの街から出ると言い出した。


 「この街を出るなら俺も一緒に行くよ」


「ごめんね、優。それは出来ないんだ」


「なんで!!」


「それは、私が他に好きな人が出来たから」


「え、」



 彼女は何も言わずにこの街から去った。


 その後、落ち込んでいた俺をほぼ姉のように思っていた先輩から慰めるように告白をしてくれて付き合った。けど


 「本当にごめんなさい」


彼女もまた同じだった。


 

 そして、次は年下の妹のように思っていた女の子と付き合って、また同じ・・・ように繰り返して、今度はまた同級生・・・


やがて、俺はクラスの全員(6人)と付き合ったけど。


 みんな俺を置いて出て行った。


________


その筈だった。


 高校2年生になり俺は、俺だけはこの学校に残った。

 

 「あの、先輩?」


「っな、なんだ?」


俺は付き合ってもないのに、この雪までもどっかにまた行ってしまいそうで怖かった。


 「なんだか、分からないですけど、新しい寮が出来る見たいですよ。」


「寮?」


「そうです。寮です。えっと、そして一気に転校生が来るみたいです」


「え、そうなの?」


「はい。なのでこれからは先輩と二人きり、じゃなくなるなって思って」


 「そうなのか」


雪ちゃんは俺と2人で居れて嬉しかったみたいだ。


 そう思ってくれて嬉しい。


 

 でも、その嬉しさをかき消されるようにトラウマが蘇る。


 また、新しく入ってくる男に取られるんじゃないかと・・・


________


先生「転校生は6人だ。」


雪「先輩6人ですって!!すごいですね。」


6人、それは俺のある数と全く一緒でゾワっとした。


雪「先輩、どうしたんですか?」


優「いや、その大丈夫なんでもない」


雪「でも、なんだか・・・」


そして雪は俺の手を握ってくれた。


雪「大丈夫です。私と先輩はこれからも一緒です!ずっと一緒ですから」


優「・・・そうだね。」


雪には本当に元気付けられる。この会話も前の元カノと似たようなことを言われたことがあったけど、雪の言葉ちゃんとそうだと思える。


優「ありがとう、雪」


雪「はい!」


そして、 雪の言葉があったから、このあとの現実に耐えられることが出来た。


春「久しぶりだね。優」


夏「優ちゃん。」


秋「ゆう先輩、また会えましたね」


冬「ゆう先輩、今度は離さない」


宮「・・・優、せっかく戻ってきたのに、今度はその子なの?」


沖「・・・」


地獄のような元カノ6人の再会だって、

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