転生っ!!
某凡人
第1話 エピローグ
疲れた体で瞬きするとそこは…みたいなものもなく今日も寝不足で死んだ目でバスに乗る。
いつものように夜中のバスには誰もいない。
死んでると錯覚する程の静寂さだ。
ぼーとしながら手を握ったり開いたりして生きてるを実感する。
俺の名は大川。
至ってどこにでもいる社会人だ。
残業帰りでいつも23時くらいに帰ることになっている。
だいたいバス停がマンションから近いから道中のコンビニで買っといたササミバーを食べながら玄関の前で少し立ち止まる。
家に入ったら後は風呂を出して寝るだけだ。
ほぼ夜中なので小さく鼻歌を歌いながら片手でソシャゲの一連の操作をして
ドアノブを捻りながら草原に足を着けた。
段差に腰掛けようとするとそこに段差はなく尻餅をつくように座った。
心地良い風が吹き抜ける草の上で上半身ごと脱力しながら仰向けに倒れる。
???
確かにいつもあったはずのフローリングの床を確かめようとするけど帰ってくるのは草感触ばかり。
疲れてるんだろう。
じゃなきゃこんな都会で澄み切った青空もこんな時間には見られない。
あんな町の中でこんなに心地良い風が吹くはずもない。
ストレスってたまに怖い。
きっと都合良くそう頭の中で認識してるんだろう。
どれだけ時間が経っただろうか。
10分かもしれないし2時間かもしれない。
草原の中を近づいてくる足音ではっとする。
「やっと起きましたね。
死んでるんちゃうんかと…あぁ、もう死んでますね。」
そう言いながら白髪で糸目の男が近づいて来た。
服装は…どっかで見たことがあるようなそんな感じの服だ。
なんか漫画とかアニメとかで見るようなどこか神々しいような着物(?)。
ああ言う服はそもそも着物に入るのか?みたいなのだ。
顔は…すぐ裏切りそう。
後ろから刺してきそう。
それに出会っていきなり知らない人間を死んでる扱いにするのはどうかと思う。
友達いなそう。
「上から貰った''
そう言いながら虫眼鏡を渡してきた。
そもそも上ってなんだ?
それに貰ったのは虫眼鏡以下のただのレンズのようだ。
こんなんじゃ何も出来ない。
その間「
「そうやって使っても意味ないって事や」
そう言いながら地面に円を描いた。
落書き程度の円を書き終えた後、ドヤ顔で腕を組んでいる。
「覗けって?」
「そう言うことや」
恐る恐る覗いてみると玄関に自分がくたばっている。
それを第三者みたいな視線で見てる。
CGの可能性も考えた。
けどその可能性は低そうだ。
なんたって片手にはさっきまで食べていた食いかけのササミバーが握られている。
どうやら本当に死んでるらしい。
「なにこれ、どういうこと?」
「さっき言ったやん、死んでんのん」
…じゃあ俺は?
魂的な幽霊的ななにかってことか…
「要約すると転生して第2の人生始めましょう!って事やな」
「急だな。」
「とりあえず転生!してみましょ☆」
糸目は指を鳴らした次の瞬間足下に大穴が空いた。
暗い穴に落ちていく。
まだ聞きたいこともあったがこれだけは伝えときたい。
「お前のエセ関西弁ド下手だな!」
「キャラ付けですよしょうがないでしょう!!」
こうしてまるで麻酔を打ち込まれたかのように俺の意識は閉じた。
転生っ!! 某凡人 @0729kinoko
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