蒼眼の少年
やと
第1話
僕は普通の男子高校生に憧れを持ってる。高校生ということは同じだけど僕は人と違う所がある、それは特殊な眼を持ってる事だそれは人や物の感情は眼で見えてしまう事だ。そしてこの眼を多様すると視覚以外の四感はなくなり次第に僕の瞳から色が見えないモノクロの世界だけが残る。
これは生まれつきで小さい時は随分と苦労したものだ。だから特注の眼鏡でこの眼が暴走した時にそれを塞いでくれる優れ物で今ではコントロールはできるようになったけどたまに暴走してしまう、そうなったら脳多すぎてシャットアウトするように倒れる。慣れるのに凄く困った、見たくもないものを沢山みてきたし意識してても周りを傷つけることもあったので周りから自然と人は寄り付かないようになった。それは教師も例外じゃなかった、小学生の時は同級生なんかは素直に育つので感情は物の扱われかたが適当にだし物が傷ついているので疲れた感情をもろだしになっていた。教師は明るく生徒に振る舞っていたが僕には毎日宿題のチェックやテストの点数などやることが多いだろうからいつも疲れて感情が湧き出て当時の僕には怖い対象だった。中学に上がると思春期になって心に思ってても言えない事だったりも僕にとっては痛く苦しいものだった、いじめもレベルが上がって陰湿になってその場の独特な空気は僕が人と関わるのを断つって思うには十分な三年間だった、もう高校では通信と言う選択もあったが両親の意向で普通科の高校に進学した、でも高校では友達も作りたくはなかった。
人には言えない眼を持ち両親から他人、友達に誰も言うのはいけないと言い聞かせられ続けたけど時に秘密とは人と密に関わることで共有したくなってしまう時が出てくる僕はそれが人間、生物の悪行だと感じる。
「ウジャ昼飯食おう」
高校に入って唯一の友達、颯こいつは小学生の時からの友達で所謂腐れ縁だ。そして僕の眼について知ってる唯一の友達。小学生の時にこの眼でイジメにあった時なんかはいつも助けに来てくれた。クラスが違ってもどこにいてもいつも血眼になって僕に向かった火の粉を払いイジメた奴を追いかけ回してくれたそんな関係で僕の家にも出入りすることが多くなったことで両親も颯になら言っても大丈夫だと言われたが僕は理解してくれるかそれとも拒絶されるかもしれないと怯えながら切り出したというのにこいつは
「そう、なるほどねなんか色々納得したわ」
と漫画を読みながらいつもと変わらない様子でへらへらしていた、次の日もまた次の日も変わらず僕の隣を歩いている。
「分かった」
いつも僕達が昼ご飯を食べるのは誰も居ない使われてくれない教室。昼休みに学校の屋上で昼食なんてドラマや漫画の世界だけだし颯はこう言う場所を見つける事が得意で僕の眼がコントロール出来なくなって倒れてもそう言う話しができるようにできる限り二人でいれるように口には出さないが配慮してくれている。
「そう言えば好きな子できた?」
「お前その話し好きだな」
「だって華の高校生活折角なら彩り必要だろ」
「もうお前恋バナと付き合えよ」
「そんなに話題変えようとするって事はお前まさか」
「いや、好きな奴も気になってる奴もいない」
「なんだよ、そろそろ修学旅行だしそろそろ欲しいよな彼女」
「要らないだろ」
「だって大阪でユニバ行けるんだぜ、折角なら彼女と回りたいじゃん」
「あんな人が多い場所の何が良いんだか」
「分かってないな、デートにロケーションは必須だろ」
「そういうものか」
「そういうもの」
なんだか理解出来ないけど颯が楽しいと言うのならそう言う事なのだろう
昼食を食べて教室に戻り授業を受けて部活に入ってない僕らは人が殆ど居ない教室
で時間ギリギリまで駄弁る。
「あった?」
「ない」
急に教室に入ってきてぐるっと1周して椅子に座る女子生徒二人が暗い雰囲気を醸し出す。
「お二人さん、どうしたよ?」
「それが葵の補聴器が一つどっかいっちゃたのよ」
「そりゃ大変だ、手伝うよ」
「ありがとう、でも学校中探したけど見つからなかったから多分学校にはないよ」
「そっか、でも物探しとかなら適任がいるよ」
「誰?」
「こいつ、夏目」
「え、なんで俺?てか誰?」
「誰って同じクラスだぞ、前から言ってるけど少しは人に興味持て」
「あのじゃあ私らの名前知らないか、私は多部で隣に居るのが浜辺」
「宜しくお願いします」
「でも夏目君さ私らの事認すらしてないのに見つけられるの?桜にとっては命の次に大切な物なんだけど」
なんだか覚えてないことで随分と機嫌を損ねてしまったようだだから人と関わるのは嫌なんだ昔から僕は人に知らない内に不快にさせてしまう
「大丈夫こいつはそう言う物ほど見つけるのは得意だから」
「お前のそう言うとこ理解出来ないわ」
「まあ良いじゃん、人と関わるのも大切だぞ」
「もういいよ、私らで探すから」
そう言って教室を去ろうとする彼女らをなんとか諭して僕が見つける流れになってしまった
「はー分かったよ、浜辺さんだっけ?」
「はい」
「補聴器見せて」
そう言うと片方に付いてる補聴器を外して僕に渡した、眼鏡を外して見てみると確かに大事に使われてた形跡があるそれにこの補聴器にも持ち主を好んでる。その証拠に今の僕には肌色だった補聴器が赤色に見える。補聴器から眼を離して周りを見てみると手に持ってる補聴器から教室の後ろにある掃除用具入れの隣に線が繋がっている。そして眼鏡を掛けて補聴器を渡す。
「あった」
「え?嘘」
掃除用具入れをずらすともう一つの補聴器が見つかった
「はい、ここ汚れが溜まってるだろうから清潔にしたほうがいいよ」
「有り難う御座います」
「なんで場所分かったの?」
「ただの勘」
「勘で分かる分けないじゃん、あんだけ探したのに見つけられなかったのに」
「まあそう言う事だよ、言ったでしょ探し物なら大丈夫だって」
「疲れた、颯もう帰ろう」
「了解」
学校を後にしながら颯を問い詰める
「なんで僕に眼を使わせたの」
この眼の代償は颯も知っているのになぜだろうと気になった
「だってウジャが人に関心がないのは知ってたしでも折角人と関わる機会があるなら関わるもの悪くないぞ」
「でも僕はいつ感覚が無くなるのかは分からないんだよ」
「もしそうなったら一人で生きていくのは難しいだろ親だって俺らより先に死じまう訳だし俺がこの先俺が居なくても良いようにもう少し人と関わろうぜ」
確かにこの先の未来いつか僕が四感がなくなりこの瞳に映る色がなくなって一人で生きていくんじゃなくて一人でも多くの人に囲まれて過ごしたいと思えるように思った。
蒼眼の少年 やと @yato225
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