年上幼馴染の声にあらゆる"性癖"を刺激される【ASMR】

とりどり

『ふふ、かわいい』

「ねえ、この前話したこと覚えてる?」


「だから…私が声優になるために、これから毎週末キミに練習に付き合ってほしいって…あれ、真剣なんだよ?」


「今、通っている養成所ではなかなかいい評価をもらえずにいる」


「そこで卓越した"アニメ・声優オタク"のキミの出番ってわけ」


「この現状を打開するには、私より遥かにアニメに詳しいキミの力が必要なの」


「ってことでよろしく!私専属の音響監督さん!」


「ま、難しく考えなくていいからさ、とりあえず私が今からやる演技にアドバイスちょうだいよ」


「じゃ、いくよ。…ん、んん!…あはは、け、結構恥ずかしいね…」


「羞恥心があるのも私の課題だな~、幼なじみのキミの前で実力を発揮できないなら、オーディションなんて受かるわけがない…」


「…すぅ~、ふぅ~。…よし!頑張るよ!」


「最初は私に性格が似てるキャラクターの台詞から…あぁ、内容は男性向けだけど気にしないでね」


「…先生が言うには…男性は女性向けを、女性は男性向けの音声作品を研究したらいいんだって。なんか今の需要が分かるみたい」


「需要を満たせれば商品価値があるってことになるでしょ?プロになって食べていくためには、自分をとして売り出せないとね!」


「…それっぽい?っふふ、完全に先生の受け売りです…。さあ、やってみよう~!…コホン」


『…あら、どうしたの?そんなに顔を赤らめて…。ふふ、かわいい…。ん、ちゅ~』


「ちょっと!なんで止めるの!?」


「内容に驚いた?…言ったでしょ、男性向けだから、って。こういうのを突き詰めて初めてが生まれるの!」


「んで?ほんとに顔真っ赤になってるけど…どうだった?私の演技」


「…声の加工がなってない…?もっと鼻を通っておでこから声を出すイメージで…?」


「あー、あー!『そんなに顔を赤らめて』…こんな感じかな?もっと?あ、録音しとかないと」


「ん~、おでこからか、なるほどね。他には?」


「語尾の抑揚…?う、よく先生にも言われるよ…。声マネで感覚を掴む、か。は~!確かに!なんで今までやんなかったんだろ…」


「キミさ、やっぱりすごいよ!言ってること、先生並みじゃん!ってか、私の弱点が明確すぎるのかな…」


「自分で気づくのってほんと難しい…。ありがとね。キミってばぁ、頼りになるぅ~」


「もっかいいくよ!貰ったフィードバックをすぐ演技に反映できる優秀な声優になるんだから!」


「おでこから声を出す~、語尾の抑揚~、…息の抜き方も?分かった!意識してみるね!…すぅ~、ふぅ~」


『んふ、耳元で囁かれて気持ちいいね?…もっと、気持ちよくしてあげる…。ん、ちゅ~』


『ふふ、右耳ばかり責められて左耳が可哀想~。でも、まだだ~め』


『ふぅ、ちゅ。いいんだよ?正直に反応する姿…。とっても、かわいい…』


『ちゅ…毎回ピクッてするね?こっち向いて…かわいいお顔をもっと近くで見せて…。ふふ、いいこ♡』


『ご褒美に左耳にも…ほ~ら。んべ~♡』


「…ひゃあ、やりきった…。…ど、どうでしたか、先生」


「…ほんと!?よくなってた?!わ~い!」


「キミのおかげだよ~。…それにしてもこの台本…え、えっちだね、変な気分になってきちゃった」


「これをお仕事で色んな人に聞かれながら収録して…世に届けるのか…」


「プロの声優さんを尊敬する気持ちがより増しました。今日は本当にありがと!」


「晩ごはん、うちで食べてくでしょ?」


「な~に?遠慮してるの?もう~幼なじみなんだから、このくらいなんでもないって」


「いいから食べていきなって~。帰る?んもう、今更なんなの?」


「私の2回目の演技がよすぎて、興奮しちゃったの?」


「男性向けだもん、元々そういう作りになってるんでしょ。…私は女の子だからそういうのよく分かんないけど」


「ま、これからもよろしく頼むよ?幼なじみくん。私はキミのダメ出しで成長していける…キミは私に夢のようなシチュエーションで興奮させてもらえる…。んひ、いいじゃん!Win-Winの関係ってやつ?」


「いや、キミ照れすぎ!これはやりがいありますね~。私も自主練頑張って上手くなるよ」


「だからキミも!私の超絶神演技に召されないよう頑張ってね!なんてね~」


「…興奮しすぎて襲っちゃうかも…って、わざわざそんなこと言う君ができるわけないと思うけどなあ」


『…ぼうや…責任を取る覚悟はおあり?』


「え、今のよくなかった!?こうやって演技って意識せずに言った台詞の方がよくなりがちなのが…もう!悔しい!」


「…まあ、本当に声だけでキミをそこまで焚き付けられたら、声優としては合格ラインだよね。目標が決まったぜ~!」


「悪い顔…?気のせい、気のせい。それに私のほうがお姉さんなんだから…もし、なったら責任は私にあるよ」


「ま、キミなら大丈夫でしょ?」


「キミは余計なこと、気にしなくていい。素直に私の演技にリアクションしてくれればそれでいいの。じゃ、ごはんできるまで座って待ってて!」



………………………………………………………



「…あの子もあんな顔するんだ。…男の子の顔してた…はぁ…もう、私が一番ドキドキしちゃったよ…」


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