魔王式レベリング
ニンジン屋はもう閉店してしまっている。つまり今の俺は無職に等しい……
……ので、イロニムと一緒にレベル上げである!
他にするべきこともないし、ナミミ様の準備ができるころまでにレベルを上げてスキルに磨きをかけるのだ。
なのだが。
「どうして魔王様もご一緒されているんです?」
「うむ。妾も手伝ってやろうと思っての。『ニンジン召喚』を見たいのもあるが」
「なるほど。まぁいいですけど」
とはいえ、ナミミ様の説明において、魔王様には『ニンジン召喚』のすべては教えていない。
具体的に教えているのは計画に必要な「キントキ等のニンジンが出せる」「バニーを虜にする美味しすぎるニンジン」である。
攻撃魔法、つまりニンジン系魔法が使えることはまだ秘密だ。
こうなると俺の攻撃手段は近接武器、槍による攻撃だけだ。ちょっとレベル上げが大変になってしまう……魔王様が手伝ってくれるらしいけど、トントンかなぁ?
そう思っていた時期が俺にもありました。
「じゃ、妾がゴブリン
「え?」
「えい」「グギャーーーー!!!」
魔王様の黒
ゴブリンは黒い靄になり、黒い魔石がコロンと落ちた。
「え? え?」
「おし、そのままそのまま。イロニム、支えてやると良い」
「え。あ、うん」
魔王様の黒靄からゴブリンが現れた!! ゴブリンは槍に刺さった! 死んだ!
ゴブリンは黒い靄になり、黒い魔石がコロンと落ちた。
魔王様の黒靄からゴブリンが現れた!! ゴブリンは槍に刺さった! 死んだ!
ゴブリンは黒い靄になり、黒い魔石がコロンと落ちた。
魔王様の黒靄からゴブリンが現れた!! ゴブリンは槍に刺さった! 死んだ!
ゴブリンは黒い靄になり、黒い魔石がコロンと落ちた。
…………
……
「あ。レベル上がりました」
「うむ。とりあえず今日はあと9くらいあげるかの」
そして俺のレベルは上がった。そして足元には黒い魔石がざらざら落ちている。
「昨日は満月じゃったから丁度溜まっておってのぉ。あ、普段はこれ魔王城の処理部屋でやるんじゃよ。そうすると妾の経験値になるしの」
「魔王様レベル上げし放題じゃないですか!?」
「そうじゃよ? まぁ妾とイロニムにとっては今更ゴブリンの経験値など山の砂粒じゃが」
魔王の黒靄。魔物を産み出すそれは、レベル上げにも使えるらしい。
しかも黒靄から生まれた魔物は、黒靄になって消えるらしい。魔石を残して。
生存している期間等によって魔石は魔力が溜まり色が変わるらしい。黒はカラッポだ。生まれたて産地直葬なので当然なわけだが。
「それにこの空の黒い魔石も使い道があるし……フッ!!」
「魔石が紫になった!」
魔王様が魔石に息を吹きかけると、魔石に紫の色が付く。
「容量は小さいが、こうして魔力を溜められるからの。魔道具とかに色々使えるのじゃ。好きなだけ持って行っていいからの」
「あ、ありがとうございます」
お土産に一袋分の魔石を貰った。
……そして、魔王様の宣言通り俺のレベルはこの日合計10上がったのである。
すげーや魔王様、パワーレベリングってレベルじゃねーぞ。あ、お礼にキントキどーぞ。
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