史上最高の賢王~愚かな民と弟子と不倫した妻に革命を起こされて殺されかけたら何故かTSして美少女になった挙句、ダンジョン溢れる日本?って国飛ばされたのでのんびり平和に無双します~

ダークネスソルト

エピローグ・史上最高の賢王


 昔、昔、ある所に長い人類の歴史においても最も優れた王として称えられる一人の賢王がいました。

 彼は平和な国にて本屋を営む夫婦の間に生まれました。

 何の不自由もなく両親から目一杯の愛情を与えられながらすくすくと成長しました。

 両親の影響で本が好きで、運動が少し苦手な何処にでもいる優しい優しい少年でした。

 

 しかし、ある日悲劇が起こります。


 突如、革命軍という名前の盗賊が国を襲いました。

 外からの攻撃には警戒していましたが、まさか中から攻撃されると思っておらず、国中に戦火が広がりました。


 優しい少年の家であった本屋はあっけなく燃えてなくなり、逃げる道中悪しき盗賊によって父親は殺されて、友人も殺されて、親切にしてくれた近所のお兄ちゃんもおばあちゃんも全員が殺されました。

 母親は目の前で凌辱された後、夫の死と愛してた国が滅んだショックで目の前で舌を嚙み千切って死にました。

 

 その後、少年は盗賊団によってボロ雑巾のように投げ捨てられて気を失いました。


 そして少年が目が覚めた時には全てが終わった後でした。

 あれだけ平和で賑やかで素晴らしかった国は滅び、何も残っていませんでした。


 家も家族も友人も財産も愛していた国すらも少年は文字通り全てを失いました。

 本来であれば絶望して死を選ぶような状況の中、少年は生きる希望を捨てませんでした。


 それから少年はひたすらに血の滲むような努力に努力を重ねて魔法を学び、知識を蓄えました。

 大賢者の称号を魔塔から授かり、史上最年少の大賢者へと至りました。

 それでも慢心せずに更に研鑽を重ねました。

 そうして努力の果てに立派な大人になった少年はかつての自分の国を重ねながら、とある一つの王国を建国しました。

 その王国は衣食住の全てが保証されていて、税も格安。観光事業化にも成功しており、外貨をしっかりと稼ぎつつ、他国とも非常に良好な関係を築いていました。

 また、王様が過去に自分の国を滅ぼされた過去から移民も積極的に受け入れて保護して衣食住を与えて、仕事を与えて、自立出来るように促していました。


 誰もが王様を最高の王であると讃えました。

 他国の王さえも彼こそが真なる王であり最も優れた王だと認めていました。


 全てを失った一人の少年の姿は何処にもありませんでした。

 そこには、努力の果てに全てを手に入れた最高の賢王の姿がありました。

 

 隣には愛する妻がいて、後ろには信頼出来る弟子がいて、眼下には自分を慕おう大勢の民がいました。


 誰もが王様を称えて賞賛しました。

 王様は凄く満足しながら今日も国民の為に魔法を行使するのでした。


 めでたしめでたし。



―――――――――


 今日はエピローグ3話を投稿します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る