出禁

紫閻-sien-

とある廃墟前

「なんでだよ なんで入れないんだよ」


まるで目に見えない壁が目の前にあるかのように

廃墟に入れなくて困ってる男がいた


他に入れるところはないのか裏口に回ろうとしたその時


「〇〇さんですよね」 後ろから自分の名前を呼ぶ声がした


振り返ると1人の見知らぬ中年男性がそこに立っていた


「誰ですか?なんで僕の名前知ってるんですか?」


怪訝そうに男性に問いかける男 すると中年男性は男に言った


「あっ私ここの廃墟に住んでるものなんですが

貴方様が来ると情報がよそから回ってきまして」


(こいつ 何言ってんだ?)


変なおじさんに構ってる暇はない裏口を探しに行こうとした時


「あの 貴方様は先週の□曜日〇〇トンネルに行きましたよね

先々週の〇曜日は△△霊園で 先月は・・・」


確かに男が行った心霊スポットばかりだ行った日にちも合っている


「本当にあなたは誰なんですか? 僕のことどこまで調べてるんですか?」


気味が悪くなり男性に詰寄る


「ちょっと近づかないでください

あなたが近づくと姿が消えると情報が来てるんです

私はここは離れたくない成仏したくない ここに居たい

だから どうにかして中に入らないようにしてるんです

早く帰ってくれますか? 早く帰れ」


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出禁 紫閻-sien- @sien702

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