言葉じゃない私の物語

友川創希

じゃあ、始めるよ。

 ――その気持ち、どんなことがあっても伝える。絶対に。


 突然、何言ってるの? って思ったよね。


 ドラマのセリフの一文ぽいことを言って、かっこつけようとしていないかって。


 でも、少し前、実際私はこの言葉を心の奥で何度も何度も叫んだ。疲れるほど。叫び続けているうちに、苦しくなった。泣きたくなった。そんな自分が嫌になった。でも、叫び続けた。届くまで――。


 ……というか、名前を言ってなかった。私、琴都ことといいます! 名乗るのが遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした! ついでに少し自己紹介をしておくことにします! 今、私は都内の大学に通う1年の女子です。ちなみに、人と人を繋ぐコミュニケーションについて研究中。好きな食べ物は、2日目のカレー。1日目より断然2日目の方がこくが合って好き。あのしみしみ感が……。趣味は楽器のチェロを演奏すること。最近のマイブームは、とある人の名前を叫ぶことかな。自分の一番好きなところは右手の小指。


 ……まあ、こんな感じでいいかな。


 私の話を聞いてくれている君……! 私のこと、ちょっと変わった人だなって思わなかった? そんなことないです! ただの女子大生だよ。まあ、世の中にはいろんな人がいるんだよ。


 ということで、前置きが長くなりましたが、今から私は自分の恋について語ろうと思っています。ちょっと変わった私の恋物語について。


 私、実は文章を書くのもうまいから(小さい頃から気持ちを言葉にするのが好きだったんだよね)小説めいたものにしてもよかったけど、今回は皆さんの心に届くように、こうして語りかけながら進めることにしました。


 ――じゃあ、始めるよ。


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