第21話 四条雪花の日常

 四条雪花の朝は早い。


 いつも通り5:15に目を覚まし、カーテンを開ける。


 全身で日光を浴びながらビタミンDを補給する。


 ビタミンDは免疫力アップと体内時計を整えるのに必要不可欠である。

日光を浴びるだけでビタミンを補給できるなど...自然とは素晴らしい。


 そんなことを呟きながら日課の勉強を始める。


 そうして、6:30になると軽く朝シャンを浴びる。

そうして、身も心も清め終わると、お母さんが焼いてくれた食パンを嗜みながら、コーヒーを一口...。

実にスマートな朝である。


 そこで初めて携帯を見る。

日常生活ではなるべく携帯を見ないようにしていた。

やはり、理由は単純である。

携帯は人を堕落させるからだ。


 そう思いながら携帯を見ると...いつものようにクラスのライン、そして元カレからのよりを戻そうとかいうくだらないライン...あとは友達の女子から連絡先を教えていいかというくだらないライン...。


 はぁ、本当にくだらない...と、仕方なく返信しようとしたところ...。

手が止まる。


国見 聖矢

【明日時間ある?少し話したい】PM8:15

と...書かれていた。


 え?は?何?...ナニコレ!?//

て、てか!!私、無視してるみたいになってない!?



【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093084620175910


 そのまま慌てながらも一生懸命文字を打つ。


『いいゆ』と、誤字りながらも急いで返信する。


 やっちゃった!やっちゃった!やっちゃった!私のバカ!!!!と、頭をポカポカ叩く。


 どうしよう...これでやっぱりいいやとか言われたら...と、今度は涙目になる。


 すると、少しすると『ありがとう。俺の家でいいかな』と、連絡が来る。


 い、いきなりお家!?すご!?//


 そんな風に飛び跳ねながら喜んでいた私だった...が。



 ◇


 いつも通りの学校のはずも、ソワソワしてしまい、授業合間の休憩では密かに教室の廊下をウロチョロしたり...と、落ち着かない日を過ごしていた。


 そうして、放課後になると、携帯を片手に廊下で待っていると、聖矢がやってくる。


「...お待たせ」


「...いえ、待ってないわ」


 なんとなくそういうことではないのだろうと察すると少しだけ落ち込んでしまう。


 それから二人で何気ない会話をしながら、家に到着する。


 そのまま部屋に案内されて、少しソワソワしながら部屋を見渡す。


「...意外とキレイにしてるのね。もう少し汚いかと思ってた」


「...そんなガサツに見える?」


「そういうわけじゃないけど...。それで?話って」


「...てっしーさんに...もう来ないでって言われちゃった」


「...そう。それは...残念ね。けど、それで?どうすればいいかを私に聞きたいってこと?」


「...うん」


「そりゃ行くべきじゃないでしょ。少なくても本人がそう言っているなら」


「...そう...だよな」


「えぇ、そうよ」と、私は少し冷たく返答する。


「...分かった」


「...それで?他に話は?」


「...いや、他には...ないかな」


「そう。じゃあ、私は帰るわね。もう用はないみたいだし」


「...ごめん」


「それは何に対して?私の時間を奪ったことに対して?それとも分かりきった答えがあるのに相談したことに対して?」


「...どっちもかな」


「...そう。別に私は気にしてないから。それじゃあ」と、私は家を後にした。


 冷たく接したのは一応、莉来とはそういう約束をしていたためだった。


 それに今の私にはやるべきことがあるから。


 そうして、私は莉来に連絡をする。


『時間ある?いや、無くても来て。今すぐに』


 すると、すぐに既読がつき、『どこに行けばいいですか?』と、連絡が来る。


『勅使河原先輩の家の前』と、送るのだった。

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