繰り返す日々

@yakitori0414

第1話

日が沈みきった夏の夜。

康人は今日も母親の看病を行う。

「今日の夕飯はまだかな。」

「もう食べたでしょ。母さん。」

いつもと同じような会話。繰り返される先の見えない日々に康人はため息をつく。

翌朝。

「母さん。行ってきます。」

扉を開くと、全身を溶かすような熟れた熱気が体にまとわりつく。少し自転車を走らせたところで、康人はふと何かを思い出したかのように止まった。路地の影から一匹の猫が近づいてくる。頭を撫でてやると嬉しそうな声をあげ、喉をゴロゴロと鳴らす。時間の進みが遅くなったような空間の中で康人はつかの間の幸せを感じていた。

「母さん。ただいま。今からご飯作るから待ってて。」

夕飯を作り、母親を寝かせ、それから風呂に入り、酒を飲み寝床に着く。いつも通りの日課を済ませ、翌朝を迎える。

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