第12話 勧誘

リリィは笑みを浮かべ、「そう、ただの酒場じゃ面白くないでしょう?だから、ちょっとした遊び心を加えてみたの。成功すれば、大儲けできるわよ!」と自信たっぷりに言った。


その時、リリィは通りがかりの獣人の女の子に目を留めた。彼女は目つきが鋭く、何かに不満を抱えているようだったが、その身のこなしからは敏捷さが感じられた。


「ねえ、あなた。ちょっといいかしら?」とリリィが声をかける。


獣人の女の子は一瞬怪訝そうな表情を見せたが、リリィの高貴な装いに気づき、警戒しながらも立ち止まった。「何か用?」


「あなたにちょっと手伝ってもらいたいことがあるの。報酬は悪くないわよ」とリリィは笑顔で言った。


「報酬?」獣人の女の子は興味を引かれたようで、近づいてきた。


「そう。実は今、獣人を集めて酒場を開こうと思っているの。そこでは客をご主人様として扱ってもらうのだけれど、あなたのような有能な人材が必要なのよ」


獣人の女の子は少し考え込んだ。「そんなことに興味はないけど、報酬次第では話は別よ。どれくらいもらえるの?」


リリィは微笑んで、小さな袋を取り出し、中から金貨を取り出して見せた。「このくらいでどうかしら?もちろん、あなたが満足できるように交渉も可能よ」


金貨が輝きを放つのを見た獣人の女の子の目が一瞬輝いた。「…その話、乗ったわ。で、具体的に何をすればいいの?」


リリィは満足げに微笑んだ。「まずは、私たちと一緒に詳細を詰めましょう。あなたの力が必要になるわ」


こうして、リリィの計画に新たな仲間が加わることになり、ユウトとミカはその展開に少し驚きながらも、彼女たちのビジネスがどうなるのか興味を持つようになった。

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