継走 ~美しくも過酷な箱根駅伝~

@seishirounagi

第1話 推薦

 20××年、1月、箱根駅伝が行われた。優勝したのは東京都の赤坂大学。4年生のエース、澤村竜樹(さわむら たつき)の2区区間新記録での3連覇だった。その約1週間前、全国高校駅伝競走大会、通称「都大路」があった。俺はその大会のエース区間、花の1区の区間賞を取った氷室凪(ひむろ なぎ)。身長172㎝。茨木松陰高校の3年生だ。チームは3位だった。スピード、スタミナ、メンタルのすべてが学生トップクラスの超高校級のスーパーランナーだった。学校の成績も優秀で、東大にも受かるかもしれないぐらいの学力の持ち主。そんな凪に一通の連絡が届く。

『氷室凪様へ

こんにちは、赤坂大学駅伝部監督の柳沢琢磨(やなぎさわたくま)です。君の都大路での走りを見て当大学に推薦します。学費は払う必要はありません。ぜひ、赤坂大学へ入学してください

 柳沢琢磨 TEL○○〇ー△△△△ー××××』

凪に訪れた人生最高のチャンス。駅伝をやっていれば誰しもが入学を憧れる赤坂学院大学にスカウト。はたして、凪の選択は!?

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