堂場カケルの日常

煤元良蔵

1.完了

 夏の暑さが未だに残るとある月曜日。

 木造二階建てアパート『モモモ荘』202号室の住人、堂場カケルはすずめの鳴き声で目を覚ました。見慣れた天井をしばらく見上げた後、ゆっくりと上体を起こし、枕元で鳴り始めたスマホのアラームを止める。スマホのバッテリーが少なくなっているので、スマホに充電ケーブルを差し込み、堂場は立ち上がった。

 現在の時刻は5時00分。

 堂場は眠い眼を擦りながら、閉められている遮光カーテンを開いた。その瞬間、薄暗かった室内が太陽の眩い光で明るく照らされる。あまりの眩しさに堂場は顔を顰めた。

 堂場は窓から町を眺めた後、堂場は自分が先ほどまで寝ていた布団を畳んで押し入れにしまった。そして、キッチンでいつものようにインスタントコーヒーを淹れ始める。堂場は、淹れ終わった熱いコーヒーを胃袋に流し込んだ後、燃えるゴミの袋を持ってゴミ捨て場に向かった。

 ゴミ捨てを終えて自室に戻った堂場は現在の時刻を確認した。時刻は5時30分。堂場は着ている服を脱ぎ棄てて洗面所に向かい、シャワーを浴びた。

 シャワーを浴び終えてさっぱりした堂場は冷蔵庫からコンビニ弁当を取り出し、電子レンジでチンしてそれを食べた。その後、外出着に着替え、仕事鞄を持って部屋を出た。腕時計の時刻は7時00分。時計を満足そうに見た堂場は軽い足取りで職場に向かった。

 数本の電車を乗り継ぎ、8時30分に職場に到着した。仲の良い同僚も既に来ており、軽く談笑した。そして、9時からいつものように仕事を開始した。

 仕事が一段落ついた堂場は仲の良い同僚を誘って昼食にしようとした。しかし、同僚に困惑した様子で断られてしまい、仕方なく一人でいつものチェーン店で昼ご飯を食べた。

 職場に戻った堂場は再び仕事に取り掛かり、定時の18時00分で職場を後にした。

 アパート近くのコンビニで夜飯を調達するのを忘れず、堂場はモモモ荘に帰宅した。そして、買ってきた夜飯を食べながら、ネットで勉強する。

 だらだらとネットを眺めていると時間が経つのが早いらしく、既に時計の針は23時を回っていた。それに気が付いた堂場は慌ててシャワーを浴び、押し入れから布団を引っ張り出した。そして、電気を消して布団に入る。

 現時刻は23時45分。

 堂場カケルは満足そうに微笑み、目を閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る