妹たちの癒し時間

@raito378

第1話 結衣 妹に起こされる朝

(ガチャ…)


 おはようございます…、あら、まだお目覚めじゃないですね。なら、失礼して…。


(ゴソゴソ…)


 よいしょ…、お邪魔しちゃいました。ふふ、今日もお兄ちゃんは可愛いですね。まるで赤ちゃんみたいです。母性に目覚めちゃいそう…、なんて。


(優しく撫でる)


 髪サラサラ…、あっ、起こしちゃいました?おはようございます、お兄ちゃん。なんで一緒のベッドに入ってるのか、ですか?それは私がお兄ちゃんの妹だからです。


 訳分からないって…、分からなくていいですよ。お兄ちゃんは、私に甘えてくれれば。ほら、こっちに来てください。歯ブラシ持ってきましたよ。


 自分でできる?お兄ちゃんでは気が付かないようなところも、私なら気がつけますよ。それに、お兄ちゃんの健康を管理するのは妹である私の勤めですから。ご飯から体調面まで、私におまかせですよ?


 ほら、口を開けてください?あーって。ふふ、言うとおりにできて偉いですね。仕方がなく?またそんなこと言って、本当は期待していたんでしょう?うふふ、ちょっとからかっちゃいました。では、始めますね。


(シャカシャカ…)


 お兄ちゃん、ちょっとだけお髭がチクチクしますね。後で剃ってあげますね。悪いって…、大丈夫ですよ。今日は休日ですから、時間なんていくらでもあります。それに、お兄ちゃんの役に立つのが、私の喜びですから。ほら、奥歯も磨きます。大きく開けてください?


(シャカシャカシャカ…)


 言う通りにできて、偉いですね。このまま、私に身を委ねてください…。はい、歯磨き終了です。コップに水を汲んでおいたので、洗面台で口をゆすいでください。それとも、お口で移しましょうか?


 うふふ、恥ずかしいんですか?分かりました。それはまた次の機会に。では、私はお髭を剃る準備をしますね。


 おまたせしました、では、お髭を剃りますね。私の膝に頭を乗せてください。まずは、肌を湿らせて…。


(パシャパシャ…)


 いい温度ですか?なら良かったです。気持ちよくて眠くなったら眠ってもいいですからね?では、シェービングクリームを塗っていきますね。しっかりと泡立てて…。


(モシュモシュ…)


 どうです?ふふ、気持ちよさそうですね。私も、お兄ちゃんの肌に触れられて、幸せです。では、剃っていきますね。私に、身を委ねてください。


(ジョリジョリ…)


 はい、終わりました。洗い流しますから、着いてきてください。あ、お兄ちゃんの手を煩わせる訳には行きません。下を向いててくださいね。


(パシャパシャ…)


 よし、剃り残しありませんね。あら?何故顔が赤いんですか?え?胸が当たってた?そのくらい兄妹なら些細なことです。お気になさらず。最後に保湿クリームを塗りますね。寝室に向かいましょう。


 ふふ、お兄ちゃんが自分から私のお膝に…。嬉しいです。では、塗っていきますね。冷たくて気持ちいいですよ。


(シュリシュリ…)


 気持ちいいですか?あれ、お兄ちゃん…?寝てしまいましたか。昨日も、学校の後夜遅くまでバイトをしていましたし、お疲れなんですね。


 そんなお兄ちゃんの癒しのひと時に慣れたら、私は幸せです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

妹たちの癒し時間 @raito378

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画