その9

「どうしていてほしい?」

今度はそれぞれが好きにいいました。


「わらっててほしい」

「たのしくしてほしい」

「ないてほしくない」

狼はハッと気づいて、なくのをやめました。


 すると、どうでしょう。

 空を覆っていた真っ黒な雲たちが、一斉に消えていったのです。

 合間をぬって、太陽が顔を出しました。

 空はすっかり晴れていました。

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