第2話 スレ民の面々
どこかの世界
日時不明
今すぐにでも雨が降りそうな曇り空の元で9名の人外プレイヤーが何もない平野に立っていた。
黒い全身アサルトスーツで男装している黒髪で細身の赤い目の美女。
金属体の美男子のルネサンス彫刻みたいの身長2メートルのゴーレム。
スケイルアーマーを着ている金髪エルフの女性戦士。
派手な赤いスーツの二足歩行の恐竜のような男。
重装備プレートアーマーのスケルトン。
同じく重装備フリューテッドアーマーの男。
紫色での人の形に擬態している大型スライム。
軽装備でアスリートのようなしなやかな体の猫獣人の女性。
日本刀と黒い甲冑で大きな角の生えた兜の青い目の鬼。
「何が無課金スケルトンだ。お前は有名な悪人のホネカワ太だろう。」
ゴーレムがスケルトンを見ながら言った。
「お前こそ無慈悲のダビンチ❤️だろうが。」
「もしかしたら鮮血ハニー子ちゃん?」
スライムは吸血鬼に言った。
「はい、そしてあんたは暴飲暴食ラム?」
「バーサーカーゆいなか?」
派手スーツの竜人がエルフに聞いた。
「あなたこそヤクザもビビる仁義なき竜ノ助?」
「猫女さーしこ?」
フリューテッドアーマーの男が聞いた。
「首狩りシーンムラー?」
そして全員後ろに立っていた黒い甲冑の鬼を見て、一斉に叫んだ。
「最悪のPKプレイヤー、オニキリ丸!!」
全員、『幻想世界アシャティ』でPKを生業にしていた有名な悪名高きプレイヤーたちだった。
課金しまくり、ダンジョン攻略しまくり、殺したプレイヤーが数知れず、
パーティーを組まず、ギルドにも入らず、一匹狼タイプを貫いた最悪で最強なゲーマーたちだった。
掲示板のスレッドのトピ主で男装のバンパイアの鮮血ハニー子ちゃんの正体は35歳の今でも人気の引退した一世風靡した元アイドル、小田原ゆかり。
スケルトンのホネカワ太の正体は小柄で禿げている独身の55歳の中小企業の係長、細川健治。
デュラハンの首狩りシーンムラーの正体は51歳のテレビ、インターネット、雑誌で有名な人権活動家の野村権助。
女性エルフのバーサーカーゆいなの正体は28歳の会社員の優男、小田秀斗、コミケ界隈で女性キャラクターのコスプレで有名及び私生活のSNSで男の娘として写真を投稿をしていた。
スライムの暴飲暴食ラムの正体は肥満体で45歳の政治家(衆院議員)の息子で天下り企業の役員の田森義道。
ゴーレムのダビンチ❤️の正体は格闘家を挫折したデザイナーの筋肉質の不細工の部類に入る男、40歳の米山実。
竜人の仁義なき竜ノ助の正体は32歳のFラン大学卒で中小企業の社員の高橋宗一。彼の亡くなった父親が堅気になった元本職だった。
獣人の猫女さーしこの正体は39歳の元風俗嬢で離婚の危機にある主婦の女性、旧姓安田みのり。
鬼のオニキリ丸の正体は25で一番若く、親がお金持ちのニートの佐藤工(たくみ)だった。
全員はお互いの正体は知らなかったが、お互いのHNをよく知っていた。
「これ、どうなっているの?」
鮮血ハニー子ちゃんは皆に向けて、聞いてきた。
「わからない、このアバターは自分の体になったようだ。」
首狩りシーンムラーが焦りながら返答した。
「装備も能力もゲームの時のままだよ。」
バーサーカーゆいなはつぶやいた。
「ここはどこだ?」
仁義なき竜ノ助が周りを見ながら独り言のように話した。
「夢だよな、だよな。」
ダビンチ❤️は不安そうな声で皆に向けて話し出した。
「現実っぽいよ。」
猫女さーしこは冷静に返答した。
「戻る方法を考えなきゃ。明後日入院する予定なんだ。」
暴飲暴食ラムは心配そうにつぶやいた。
「まず状況を把握しましょう、皆さん。」
ホネカワ太は全員に言った。
「それはいいけど、何か近づいてきてるぜ。」
オニキリ丸は平野の果てに見えた砂嵐のようなものを指さした。
遠い果てから近づいてものは砂嵐ではなかった。
3000体の重装備を持ったケンタウロスの軍団だった。
元の世界
2033.8.21 16:30
某掲示板のオカルト板にて
【速報】全国数か所でミイラ化した9人の遺体が見つかる。
日本語未修正
次回:スレ民と現実
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