ゲームリンク:サバイバル」

のりしろ

プロローグ

夜の東京。高橋ユウは自分の部屋で、長時間プレイしてきたオンラインバトルロイヤルゲームの最終試合に挑んでいた。彼のキャラクター「雷刃」は、その強力な雷属性のスキルでゲーム内でも一目置かれる存在だった。ゲームのアップデートが行われ、ユウは新しいイベントが始まるのを待っていた。


突然、画面が眩い光に包まれた。ユウは目を閉じ、光が収まるのを待った。目を開けると、彼は見知らぬ場所に立っていた。周囲には広大なフィールドと、まるでファンタジーの世界から飛び出してきたかのような古代の建物がそびえ立っていた。


「ここは…?」


ユウが周囲を見回すと、自分の身体がゲーム内のキャラクターと同じ姿になっていることに気づく。背中には雷刃の剣が光り輝き、手にはゲーム内で使用していたスキルのアイコンが表示されている。


「ようこそ、エルドリッジへ。」


空から響いた声に、ユウは驚きながら見上げる。そこには、雲の中から現れた一筋の光のような存在があった。その存在は、あたかも漠然とした霧の中に浮かぶ影のように、形は定かでないが圧倒的な威厳を放っていた。まるで、光と影が交錯する幻想的な存在であり、どこか神秘的なオーラを纏っている。


「あなたたちは、ゲームの中での英雄たちですが、今ここはそのゲームとは異なる、特別な空間です。この世界では、あなたたちの能力がそのまま発揮されるとともに、現実とは異なるルールと試練が待ち受けています。」


マスターの言葉が空気を震わせる中、ユウと他のプレイヤーたちは、自分たちの状況を理解できずにその場で立ち尽くすしかなかった。驚きと困惑の中、数人のプレイヤーが「現実に戻してくれ!」と叫びながら、混乱と恐怖を表す。


その時、マスターの周囲に現れた暗い影が一瞬でプレイヤーの一人に襲いかかり、その体を切り裂いた。目の前でそのプレイヤーが無惨に倒れる光景を目撃し、残された者たちは息を呑んで立ち尽くすしかなかった。マスターは冷酷に見下しながら、さらなる恐怖を与えるかのようにその場を見守っていた。


「これから、あなたたちはこの空間で開催されるバトルロイヤルに参加し、他のプレイヤーたちと戦うことになります。」とマスターは冷静に続ける。「チームを組み、連携を深めながら、最終的な勝者を目指してください。」


その言葉が終わると、光の中から現実のような景色が再び戻り、ユウと他のプレイヤーたちは、次に何をすべきかを探るために動き出す。恐怖と混乱の中、新たな試練に立ち向かう決意を固めると共に、彼らはこの異次元での生存を賭けた戦いに挑む準備を始めた。

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